LINEで発覚したまさかの犯人

　そんな危険な目にあった牧原さん、仕事後にそのことを仲間のグループLINEで話そうと思っていました。しかしその日のグループLINEは、先にKさんが投稿していた写真の話題で持ちきり。話題についていこうと会話を辿り、投稿された写真を見て牧原さんは息を飲みました。

「それはまさしく僕の車を煽ってきた派手な赤色のワンボックスカーでした。うろ覚えだったナンバーも、写真を見てはっきりと思い出したので確信しました。驚きすぎて冷静になれず、勢いで『今日この車に煽られた』と書いてしまったんです」

　その発言でグループの雰囲気は一変。詳細を求められた牧原さんは、今日の出来事を話し、それを聞いた仲間はKさんを問い詰めました。はじめはあやふやに答えていたKさんも、しばらくして観念したのか、煽ったのが自分であることを認めたのです。

LINEから退会して…親友との決別

　その後、Kさんは牧原さんが相手だとは思いもしていなかったこと、そしてもう絶対にあおり運転はしないと言って謝ってくれました。しかし、仲間たちはKさんを軽蔑し、許せないという態度で、辛辣な言葉を投げかけ、批判し続けました。

「僕としては謝ってくれたこともありますし、Kくんの言葉を信じたかったんですが……他の仲間が言っているように、恐らく手口的に常習犯だろうと。今まであんな危険なことを他人にしていたのかと思ったら、なんだかKくんが怖くなってしまいました」

　最終的にKさんは自らグループを退会。さらにLINE自体も退会し、一切連絡が取れない状態となってしまいました。仲間たちはKさんのことを未だに許しておらず、友達に戻ることはできないと言っているそうです。

「あおり運転されたことも、その犯人がKくんだったことも、そして彼との縁が切れてしまったこともすべてショックです。あおり運転のニュースを見ると、今でも悲しいの気分になります。連絡が取れない今は、とにかく危険なことさえしていなければと願うばかりです」

＜TEXT／つる＞