「趣味ってなくちゃダメ?」女子大生の悩みを、関西弁ロシア人に聞く
普段は辛口だとか、毒舌だとか言われる僕ですが、毒を持った言葉を使うと、どうしても「これが正解だ!」と、1つの答えを決めつけてしまいそうになるものです。でも、人生の答えは1つであるはずがない。
だから、あえて“甘口で”読者の皆様の人生相談にのってみようというこの企画、数ある沢山の正解の中のほんの1つだけ、参考になればという思いで、おこがましくも答えさせていただければと思います。
今回は、自分の趣味がつまらないと言われることに悩める女子大生からのご相談。
【相談】私らしい趣味ってなんでしょうか?
■ Bさん(10代、女性、大学生)
大学がリモート授業になったので、家で過ごす時間が多くなりました。そんな時、「私らしさってなんだろう?」と思うことが多くなりました。私は、特に趣味や特技もないのですが、映画や本を読むのが好きで、ステイホーム期間中は家で一人で過ごしていました。
でも、他の人から見ると「つまらない趣味」らしく、「もっと趣味らしい趣味持ちなよ」といわれます。私はこれが好きだからそれでいいじゃんとも思いますが、もっと別の趣味を持つほうがいいのでしょうか?
【回答】“建前の趣味”を用意してみては?
日本では就職用の履歴書に「趣味」を書く欄がありますよね。そういえば、僕の生まれたロシアでは履歴書に趣味を書く欄はないんですよね。
その代わり、これまでにどのようなプロジェクトに関わったことがあるか、どんな成果をあげたことがあるのかを念入りに書く必要があったように覚えています。日本の就職では、その人の実績だけではなく、人柄もかなり重要視されるのだということが分かりますね。
ネットで「履歴書 書き方」などと検索してみると、「おすすめ趣味一覧!」のような記事がわんさか出てきます。日本では趣味にも建前が必要。そして、このようなサイトに需要があるのは、多くの人が本当は大した趣味なんて持っていないということの証拠なのではないでしょうか?
きっと正直者の相談者Bさんは、建前用の趣味を用意することなく、趣味を共有する話題に参加しているのだろうと思います。
僕もいろいろな趣味を探してきた
僕だって趣味があるかと聞かれると、大したものはない。映画やドラマを観るのは好きだし、ゲームをするのも好き。でもだからといってズバ抜けて上手い訳でもなければ、語れるほどの知識もありません。僕の出演している番組のHPにあるプロフィールを観てみると、「趣味:一人カラオケ、サボテンの飼育」などと、今見ると恥ずかしいことを書いてあります。
これが当時の僕の建前上の趣味だったという訳ですね。こんなふうに、本当の趣味と建前上の趣味を使い分けることは珍しいことではありません。
日本に住むと、多くの建前上の趣味を聞くことになるので、大したことをしていない自分はダメ人間なのではないかと不安になってしまう気持ちもわかります。僕も「何かいい趣味を持とう」と、習字をやってみたり、英語の勉強を始めてみたこともありますが、どれも全く続きません。すぐに飽きて、それをやる時間が苦痛になります。