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湾岸タワマンがコロナで人気集中?不動産業界の本音を聞いた

コラム

「低金利政策」の不動産価格への影響

 いま、首都圏の住宅価格を支えている最大の要素は日銀の低金利政策です。変動金利35年で0.5%、35年全期間固定のフラット35で1.3%と歴史的にはありえないほどの低金利水準です。

 住宅を買う人は、総額だけでなく、月々の支払額で判断します。5000万円3%と7300万円0.5%の支払額は同じであることを考えると、低金利の効果がわかると思います。

 黒田東彦日銀総裁は自分の任期中は利上げが難しいとの見解を示していますが、後任者がこの政策を引き継ぐとは限りません。

 かつての日銀のように金利機能を取り戻そうとするタカ派総裁が誕生すると、間違いなく住宅価格は下がるでしょう。なお私は、後任者も利上げできないと考えています。

マンション価格を下落させる別のシナリオ

低金利 金融政策

 東京都の人口は2025年まで増え、世帯数は2030年まで増えると予想されていました。しかし、2020年5月に東京都への転入より転出が1069人上回る統計結果が発表されました(総務省「5月の人口移動報告」より)。

 これは4月に発令された緊急事態宣言の影響により、上京大学生や留学生が東京から出たことによる影響だと思われるのですが、今後この傾向が続くようになると、東京とその周辺で住宅を買う人が減ってくるのですから、住宅価格は下落していくでしょう。

 もちろん、不景気による不動産価格の下落もあると思いますが、バブル期とその後のようなダイナミックな価格変動は無いと予想します(住宅価格の推移を見ると、バブル期の価格上昇は鋭角すぎたのです)。

 さて、いつが買い時ですか? とよく質問されるのですが、買い時は個人のタイミングによります。住宅は株価のようなわかりやすい上下運動はありませんし、家族の事情は買い時などを待ってくれません。個人的に買いたいと思った時が買い時なのです。ただ事情が許すなら、トレンドが微妙に変化しているのを観察できる今、もう少し見極めてからでも良いとは思いますね。

<TEXT/のらえもん>

湾岸タワマンに住んでいるという設定の湾岸妖精(ブロガー)。「マンション購入を真剣に考えるブログ」を運営。人間界ではいたって普通の都内勤務サラリーマン。著書に『専門家は絶対に教えてくれない! 本当に役立つマンション購入術』(廣済堂出版)など

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