“テレワーク病”のリスクに要注意。猫背で内臓疾患、カビで肺炎も…
新型コロナウイルスの感染対策でさまざまな変化を遂げた生活様式。しかし、たとえ感染対策のつもりでも、間違った解釈のまま実践していると、命を落とす危険性も……。識者たちの声をもとに、我々の日常習慣にはびこるリスクを洗い出してみた。
ニューノーマルの勤務環境に潜むリスク
我々の働き方はコロナによって大きく変貌した。まずテレワークや時差出勤などで懸念されるのが生活リズムの乱れだ。
「夜更かしや起床時間のずれで体調を崩すことも」と精神科医の夏目誠氏。
「時差通勤でも決まった時間に起床するようにして、なるべく体内時計を狂わせないことが大切です。人間は起きる時間で生活リズムができるので、朝は10時半までには出勤するようにして、夜の睡眠時間を確保。朝は起きたら太陽光を浴びると夜の寝つきもよくなって規則正しい睡眠を確保できるようになります」
猫背姿勢に、循環器系疾患のリスク
また、整形外科医の清水伸一氏はテレワーク環境の問題点を指摘する。
「在宅勤務で体に合わないダイニングテーブルやソファを使うのはよくない。ここでノートパソコンやスマホを長時間使っていると、首回りや腰回りへの負担が大きく、猫背の姿勢を続けることにより肩こりや腰痛の原因になります」
猫背姿勢を長時間続けていると、体の前部にある心臓や肺、腸などが圧迫され、内臓機能が低下。腰痛や肩こりだけでなく全身の不調に発展し、命に直接関わる循環器系疾患のリスクも高まるという。
「全身に血液と酸素を届ける心機能や呼吸機能が低下すれば動脈硬化、血管の老化が進み、エコノミークラス症候群のように鬱血して静脈瘤が増えることもある。胸を反らせる背伸びの運動や肩甲骨を動かすストレッチを、深呼吸と合わせて30分に1回行いましょう。意識的にスマホなどから離れる時間をつくり、圧迫された心臓などを解放して、脳への血流量が増えれば仕事の効率も向上します」