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2000万円をカルチャー界に還元するバドワイザー、日本代表に聞いたその理由

ビジネス

 新型コロナウイルスの流行により、苦境を強いられるビール業界。生命線ともいえる飲食業界が軒並み経済的打撃を受け、ビール自体の販売量が減少している中、新たな活路を見出していかなければならない局面に来ている。それは、世界的なビールブランドとして名高い「Budweiser(バドワイザー)」もまた然りである。

バドワイザー

バドワイザーを販売するABインベブ日本法人社長、ロドリゴ・モンテイロ氏

 バドワイザーやコロナビールなどのブランドを展開するアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)は、2020年1月から3月期にかけての最終損益が約2400億円の赤字になる見通しを発表。

 ポストコロナの時代に、巻き返しを図る戦略や取り組みはあるのだろうか。同社日本法人のロドリゴ・モンテイロ社長に話を聞いた

コロナ禍に喘ぐ販売パートナーの支援

 ロドリゴ社長は2002年にブラジルでABIへ入社し、営業やロジスティクス、トレードマーケティングなど様々な職務を経験後、NYへと転勤し、プロジェクトをこなす。中国ではトレードマーケティング部門のジェネラルマネージャーへ昇格。東京へ来日した現在では、日本とニュージーランドの市場を統括するジェネラルマネージャーとしてビジネスを行う立場にある。

「グローバルを渡り歩いてきた中で、日本はブラジルやアメリカと違う、独特なカルチャーを持っていると感じています。外国人として日本に住んでいる以上、日本の文化や礼節なども学ばなければなりません。その際に意識していることが2つあります。まず1つはオープンマインドであること。2つ目は、疑問に感じたことは些細なことでも聞くようにすることです」

 長きに渡って、着実にキャリアを積んできたロドリゴ社長は、今回の新型コロナによる経済的危機をどのように捉えているのだろうか。

「バドワイザーのみならず、ビール業界全体が新型コロナで大きな影響を受けている」とロドリゴ社長は切り出しつつ、グローバルでも飲食店全体が苦しい状況の中で「お客様が戻ってきたときに、どう盛り上げられるかが鍵」だと語る。

「当たり前の日常が、新型コロナで一変しました。飲食店や我々のようなビール製造会社は、ポストコロナ社会に向けて新たに価値提供や顧客とのコミュニケーションのあり方を考える必要があります。バドワイザーは海外のビールブランドなので、国内の販売パートナーをどうサポートしていくか、考えていく必要があると思っています」

キリンとの契約終了して日本法人に移管

バドワイザー

 プレミアムラガービールブランドとして世界6大陸・約85カ国で愛飲されるバドワイザーだが、日本では1980年代からサントリー、1993年以降はキリンビールがライセンス生産・販売を行ってきた。海外発のラガービールとして売り出し、バドワイザーキャンペーンガール(バドガール)による宣伝効果で知名度を高めてきたが、2018年末にキリンビールとのライセンス契約を終了。

 翌2019年からは、オーナー企業であるABIの日本法人に移管したことが、大きな転機となっている。

「キリンビールとはこれまで、国内の製造・販売パートナーとして二人三脚でやってきました。昨年からABIジャパンに引き継いだことで、新たに“若者のライフスタイル”に寄り添う形で、ブランド訴求を行っていく方針を打ち出しました。

 今まではグローバルで決めたマーケティング戦略をキリンビールに下ろし、そこからさらにローカライズした上、国内で実施していましたが、これだとタイムラグが生じてしまう。時代の流れが早く、次々と消費者ニーズや趣味嗜好が変わる中、戦略策定後の意思決定の速さと実行力が求められるため、ABIジャパンが直接マーケティング活動を行えるようになったのは大きい」

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