カジノで106億円を溶かした大王製紙前会長が語るコロナ論「僕は自粛反対派」
総理のリーダーシップが見えない
「GWが終わった5月7日(取材時点)で新型コロナの死者数は577人。仮に陰謀論者が言う“隠蔽された死者”がいるとしてもせいぜい2倍ですよね。
一方、今回の自粛で喪失したGDPは最低でも55兆円という専門家もいます。その結果、貧困による強盗事件や自殺が増えていく。命よりカネかと言う人もいますが、カネで失う命がたくさんありますよ」
日本に広がる「自粛せよ」という空気によって、新たな悲劇が生まれているというのだ。そして何より、安倍晋三総理の強いリーダーシップが見えないことを井川氏は嘆く。
「安倍さんが首相になる以前からサポーターとして個人的に交流していたのですが、今回の対応はあまりにもグダグダ。そもそも法的な根拠もなく、補償もせずに強制的に休業させるなんてありえないです」
特別定額給付は夜の経済を回すために
「法的拘束力もない“要請”という言葉でごまかして、カネを出さずに徹底的に逃げ回っているだけ。このままだと、来年以降は経済的困窮で自殺者が1万人以上増えると思いますよ」
政府は次々に悪手を打ち続けるなかで、匙を投げるように「とりあえずみんなに」と、一律10万円の特別定額給付を実施した。井川氏も受け取るのだろうか。
「たとえ10万円でも、僕が夜の経済を回すためには必要です。手続きが簡単なら、申請してみようかなと思っていますよ」
「捨て銭を考えろ」と根っからの商人である父上に厳しく仕込まれたという井川氏。最上流層は世間の厳しい目もどこ吹く風で、今日も夜の街に繰り出した。
【井川意高】
実業家・大王製紙前会長。大王製紙会長を辞任した直後に会社法違反容疑で逮捕され、懲役4年。カネはあるが立場はない「無敵の身分」を生かし、ネット上では過激発言を連発している
<取材・文/週刊SPA!編集部>
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