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五輪目的でタワマンを買った会社員「コロナでローン返済がやばい」

コラム

生活設計がガタ狂いに

[コロナ格差]下剋上

五輪会場は目と鼻の先。「周囲を歩くにつれて、期待が膨らんだのに、来年開かれるのでしょうか」と浮かぬ顔

 田村夫人は派遣も含めて就職活動をしているが採用自体を見送る企業も多く、難航しているという。となれば、2人合わせて1000万円超の世帯年収を前提に組まれた生活設計もガタ狂いだ。

 田村家の毎月の固定費は、住宅ローン17万円を含めて40万円弱に達し、一人の稼ぎでは背負いきれない。

「当面のハードルは、6月末。妻の就職がそれまでに決まらないと、子供が保育園を退園させられてしまう。『保育園は働いている親のためのもの』というのが建前だからです。

 でも、子供の面倒を見ながらでは、妻の就職活動は滞り、家計はさらにひっ迫します。せめて行政には妻の就職先が見つかるまで、保育期間を延長してほしい。この状況だと、最悪の場合は部屋を売りに出すことも考えています」

 1年後の開催時には見下ろすことが叶わぬかもしれない会場を寂しそうに眺めていた田村さん。コロナ禍は中流層も巻き込んでいる。

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<取材・文/週刊SPA!編集部>

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