一斉休校で明らかになった「オンライン教育」格差。推奨サービス4選
勉強だけでなく立ち居振るまいを学ぶ
それでは、有効にオンライン教育を活用するコツはどこにあるのか。讃井氏は具体的な事例についてこう語る。
「多くの学校が授業のオンライン化に手をこまねいている間に、学校向けAI型教材を提供するQubena(キュビナ)が自宅学習用に個人にもサービスを提供するなど、教育格差是正に向けて動きだしています。ベネッセやジャストシステムといった大手サービスも続々オンライン化を推進済み。さらに、Zoomで子どもたちの居場所づくりが行えるカタリバオンラインというサービスも。学校の役割をオンラインで賄おうとする活動も始まっています」
アフターコロナの教育は、オンラインとオフラインが折衷したまったく新しいものになるという。そこでは、勉強はもちろんのこと、オンライン上での立ち居振るまいを学ぶことも大切だ。
「一連の騒動により、教育のオンライン化への時計の針が5年、10年と一気に進んだ感覚があります。当然、勉学だけでなく集団でのコミュニケーション能力といった社会性を身につけるのも学校が担う役割です。教育のオンライン化によって学校が不要になるのではなく、それぞれの良いところを組み合わせていくことが大切です」
混乱する教育の現場に委ねたままでは遅れをとるのは確実。進化するサービスを見定めつつ、状況に応じてオンライン教育を取り入れていくのが肝になりそうだ。
オンライン教育の各種サービス
[Z会Asteria総合探究講座]
言わずと知れた大手学習サービス企業、Z会グループが提供するオンラインサービス。特に中高生から絶大な支持を得ており、人気、評判ともにピカイチだ。現在、新規申し込みを一時中断するほどの人気を博している。
[カタリバオンライン]
学校にいけない子どもたちにオンラインの居場所を提供するサービス。NPO法人カタリバが提供。直接何かを学べるわけではないが、学校の代わりとなるコミュニケーションの場として知っておいてもらいたいサービスだ。
[探究学舎オンライン]
ワイズポケットが運営する、生ライブ授業配信サービス。小学生向けに化学、歴史、宇宙などの探求を促し、授業間のミッションなども与えられる。新規募集も2~3時間で埋まる人気ぶりだ。
[Think! Think!]
4~10歳向けならコレ。図形やパズルで考える力を鍛える教材で、10分間の脳トレのようなもの。「子どもがYouTubeばかり見て困る……」と悩む小学生の保護者からの評判は抜群。自宅で楽しく思考力が身につく。
【讃井康智】
ライフイズテック代表取締役。ITキャンプ・スクールを運営し、中高生向けIT教育サービスでは世界2位。ディズニーとコラボしたテクノロジア魔法学校などオンライン教材も提供する
<取材・文/週刊SPA!編集部 写真/読売新聞・アフロ>