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サントリー、消毒用アルコールの無償提供も。コロナ後も堅調は続く?

ビジネス

コロナ時代におけるチャンスとリスク

 また、今後の事業の見通しについては、直近の決算説明会の質疑応答の中で回答があったので、こちらをご紹介しましょう。「ポスト・コロナ、ウイズ・コロナを見据えたチャンスとリスク」についての質問に対し、サントリー経営陣は下記のように答えています。

【チャンス】
・飲料事業はライフラインであり生活必需品(であるため需要は減らない)
・スーパーやEコマースの家庭内消費が伸長していること
・家庭内消費の商品ニーズも健康系へシフトしていること(もともとトクホ系飲料のラインナップも多いので需要増に対応できる)

【リスク】
・外出自粛やロックダウンにより大きく影響を受けたチャネル(日本…自販機チャネル 海外…業務用チャネル)
・足元では、人通りが大きく減っているところのダウンサイドが明らかに大きい

 日本は人通りがあるところ(駅・道端・大きな建物の近く・駐車場etc……)に自販機がたくさん置いてあるという特殊な環境があるため、人通りの減少でこのチャネルが影響を受けるのはその通りだと感じますが、実際のインパクトはどの程度でしょうか。

自販機チャネルにおけるコロナの影響

サントリー 自動販売機

サントリーの自動販売機

 サントリーの決算資料では自販機チャネル関連の数値が公表されていないので、サントリーも所属している「一般社団法人全国清涼飲料連合会」のサイトから、日本国内の自販機の設置台数がわかる数値を拾い、想像しやすい数値に落とし込んでみることにしました。

① 日本国内の自販機の個数(2018年末時点)…240万900台
② 日本の国土面積…377,900㎢

①÷②=③1㎢当たりの自販機個数…6.3個/㎢
④ 日本の人口密度…337人/㎢

④÷③=自販機当たりの人数…53.0人/台

 1㎢あたり6.3個の自販機が設置されており、1台の自販機当たり約53人が利用している程度の規模であると推定できます。非常に多いわけでないものの、外に出ればそれなりに見かける程度という感じが数字でもつかめたでしょうか。

 これは「日本全体の平均数値」なので、人口が密集する首都圏や各地方都市に自販機も偏在していると言えます。したがって、主要な販売チャネルであるとは言えそうです。しかし、確かに人通りの減少により短期的には売上は減少しますが、商品自体が「ライフラインであり生活必需品」であるため、中~長期的には売上も回復できるのではないかと考えます。

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