絶望のホテル関連業界「会社が潰れるかも」と20代社員が語る惨状
プライベートでも人と合わないように注意
「派遣されていた清掃スタッフも、次の仕事がすぐ見つかるか微妙ですし、会社都合の退職で失業手当がすぐもらえるようにリストラされるまで働き続けたほうがいいのかなって相談も受けます」
まだ20代の宮田さんは「この会社はもともと志望していた業界ではなかった」と言います。しかし、若いスタッフが多くて、職場の人間関係も良好。働いているうちに仕事もやりがいを感じるようになっていたとか。
「それでも今は仕事より感染しないことのほうが大事かなって。リモートワークになったのは緊急事態宣言の2日後からですが、個人的には3月下旬から仕事と食料買い出し以外の外出は極力控え、プライベートでも人と会わないようにしています」
しかし、最初はあまり気にしていませんでした。意識が変わったのは友人の一言だったそうです。
仕事より命のほうが大事だと考えるように
「会社がヤバいってグチでも聞いてもらおうと飲みに誘ったら『会って飲むとかありえないだろ』って。友人は私の状況に同情してくれましたが、『仕事よりも感染しないことを考えたほうがいい』とたしなめられました。友人は彼女が看護師をしており、厳しい現状を知っていたからそう言ってきたんだと思います」
リストラの不安を消すことは簡単ではないようですが、「おかげで開き直って考えられるようになった」とも。
「本当なら夏のボーナス増額が確実だったのでコロナには恨みしかないですが、そんなことばかり言っても仕方ないので。幸いにも私はまだ20代だし、まだ独身です。それを前向きに捉えてやっていくしかないかなって」
20代にとって若さとは、何事にも代えがたい武器のひとつ。今後ますます厳しくなることも予想されますが、若さを生かしてぜひ乗り切ってほしいものです。
― 特集 新型コロナ・若者の憂鬱 ―
<TEXT/トシタカマサ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>