イケイケのベンチャーに入社半年で、業務停止命令が。華やかな夢は幻だった
待遇、福利厚生、社内環境の充実など、就活で志望企業を選ぶ基準はさまざまです。とはいえ、入社前は華やかで、羽振りの良いイメージだったのに、実際に入社してみたら「現実」は全く異なっていたという話もよく耳にします。
水谷健一さん(仮名・25歳)は元・不動産投資会社の営業マン。現在は退職済みですが、彼が新卒で入社したのは、イケイケの不動産ベンチャー企業X社でした。
内定者の食事会で「こんな華やかな世界かと」
X社の羽振りの良さはすさまじく、水谷さんは入社前の内定者という立場でありながら「非常に華やかな体験をさせてもらった」と言います。
「内定者のときの食事会は、六本木の高級店でした。みんな目を輝かせていましたね。バイキング形式でステーキやら刺身やらがズラッと並んでいて、壮観でした。この会社に入ればこんなに成功できるんだぞって、その頃は単純にとても魅力的に映っていました」
成功への期待と野心を抱いて入社したという水谷さん。配属された営業部で結果を出すべく、厳しい研修に励みます。
先輩社員とOJT形式で不動産営業のノウハウを半年間学び、いよいよ独り立ち。しかし、その矢先に水谷さんが想像もしていなかった衝撃的な事件が起こります。
イケイケの不動産ベンチャーでの事件
「支社で業務上の不祥事が発覚したんです。急遽、私がいる本社にも監査が入り、研修が終わってこれから本業務というところで、2週間の業務停止命令が出てしまいました。正直不安になるというよりはア然としましたね。
こういった事件がニュースで流れてくるのを何度か見ましたが、まさか自分たちがその当事者になるとは思ってもみませんでした」
わずか入社半年でとんでもない事態が発覚。業務停止命令が出たため、水谷さんとその同期たちはしばらくの間、自宅待機となってしまいます。状況がわからないまま、同期たちの間では不満だけが募っていきました。