浅草と東京スカイツリーを繋ぐ「東京ミズマチ」。東武鉄道に聞く、その狙い
イーストゾーンは6月より順次開業予定
三ツ目通りを越えると、東京ミズマチのイーストゾーンに入る。店舗の向かい側は住宅地で、庶民的な雰囲気が色濃い。また、大相撲の鳴戸部屋(師匠は元大関琴欧洲の鳴戸親方)があり、新型コロナウイルスが終息すれば、朝稽古の一般見学再開も考えられる。すなわち、観光スポットのひとつに加わる可能性を秘めている。
イーストゾーンも7店舗が用意され、ホステル、コンビニエンスストア、産業交流委拠点、コインランドリー、テラス席つきのハンバーガーショップ、スポーツ複合施設などを構える。2020年6月に順次開業する予定で、沿線にお住まいの方々が利用しやすい環境を整えている。
小梅橋付近には2人用ベンチを2脚配し、東京スカイツリーや東武の列車を望める。ちなみに、ここから、とうきょうスカイツリー駅及び東京スカイツリータウンへは徒歩2分あまり。
東京ミズマチのねらいと今後の展望
東京ミズマチ建設の発端となったのは、「新たな水辺整備のあり方検討会(事務局:東京都)」が策定した「隅田川等における新たな水辺整備のあり方」に基づくもの。
浅草および東京スカイツリーの2大観光拠点、隅田川および北十間川が生み出す水辺空間といった特性を活かしながら活性化を図るべく、墨田区と東武が連携して整備事業を推進することとなり、その一環として東武では高架下を開発することとなった。
東京オリンピックとパラリンピックの開催が2021年夏に延期されたとはいえ、今回取り上げた事業は、“東京の魅力的な空間創出への期待”が一層高まる。
今後の展望について、東武にお伺いしたところ、下記のコメントを寄せた。
「歩道橋設置および北十間川・隅田公園観光回遊路整備事業により、浅草周辺と東京スカイツリータウン周辺を一体のエリアとして捉えてもらうことで回遊性が高まり、両エリア全体の活性化に寄与するものと考えています」
開通と開業は延期
当初、すみだリバーウォークは2020年4月13日に開通、東京ミズマチは4月17日に開業する予定だった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、延期が決まった。現時点、5月の開通、開業を目指している。
公共交通機関がかなり打撃を受け、取材後に緊急事態宣言が発出されたが、東武によると、外出自粛要請に伴う鉄道の計画運休の予定はないという。全世界が一刻も早く、“日常生活”が戻ることを祈念する。
【取材協力:東武鉄道】
<取材・文・撮影/岸田法眼>