新人男子、金髪の先輩社員と殴り合い寸前に「若気の至りで恥ずかしい」
モチベーションを保つための提案とは
そんな中、寺本さんの同期の一人がモチベーションを保つためある試みを提案したことがこの研修に大きな波乱を巻き起こします。
「少しでも楽しく作業をするために、作業中に同期みんなで歌うことにしたんです。しゃべらずに黙々と単純作業をするにはストレスが溜まり過ぎてもう限界でしたから、誰かが歌い始めたらそれに乗っかって自分も歌う。
たったそれだけなんですけど結構盛り上がって全員で大合唱するみたいなこともありました。馬鹿馬鹿しいかもしれませんが、実際効果もあって作業の能率もアップしたんですよ」
まさかのイレギュラーな方法で工場業務のモチベーションを何とか保った新入社員たち。単純作業を乗り切るために自分たちで考え、独自の工夫を凝らしたようです。
隣のヤンキー風先輩とケンカ寸前
しかし、あと3日で研修が終わるというタイミングで、予期せぬトラブルが襲います。その日はライン作業のほか、印刷機でコピー作業をしていた寺本さん。すると、隣で作業をしていた金髪の先輩派遣社員が「いつもうるせぇ!!」と突然怒鳴ってきたのです。
「私たちいつも大きな声で歌を歌っていたので、たぶん我慢の限界だったんだと思います。その人は金髪で眉毛も薄くいわゆるヤンキーみたいな見た目で、前からずっと少し怖かったのですが、売り言葉に買い言葉、こちらもムキになって『なにが悪いんだよ!』って言い返してしまって」
なんとまさかの一触即発ムード。のちに、その場にいる作業員全員がひやひやしていたと同期から教えてもらったそうですが、「その時は頭に血が上り落ち着くどころではなかった」と寺本さんは語ります。