新人研修で富士登山。代理店マンが「黒歴史だった」と語る理由は…
山小屋で20人超の嫌な視線を感じて
次の日は朝一で出発する予定だったため、一刻も早く身体を休めたいところ。しかし悲しいことに待っていたのはあまりにも過酷な環境でした。
「到着した山小屋で通された部屋がもう最悪で。大部屋で20人以上のグループ社員の男性たちがすし詰め状態で押し込まれていました。
『また一人入ってきた』という嫌な視線をひしひしと感じながら、なんとかして自分の眠るスペースを確保しようと思ったのですが、大部屋の二段ベッドはすっかり埋まっていますし、床で眠ろうとしている社員もちらほらいて。
正直、全員が横になれる充分なスペースはとてもじゃないけどありませんでした。仕方がないので、部屋の梁(はり)によじ登って忍者みたいにそこで眠ろうとしましたが、汗臭いわ寝心地も悪いわで熟睡できず……疲労がむしろ溜まりましたね」
ついに頂上へ。しかしトラップが…
2日目の早朝、まだあたりが真っ暗な内から出発するグループ社員一行。前日の疲れを引きずりながら、相変わらず芳しくない天気で寒さに震えながら頂上を目指します。
頂上に向かうにつれ道は険しく一本道になり、「まるで順番待ちの行列に並んでいるかのようだった」と塩田さんは語ります。そして、並ぶこと数時間。いよいよ待望の瞬間が訪れました。
「数時間列に並び、ようやく頂上にたどり着きました。天気は悪く見晴らしは良いとはいえませんでしたが、やっぱりきつかった分、登りきったという達成感があり、嬉しかったですね。頂上では、会社の執行役員が待っていて、登りきった人たちとハイタッチをしていました。
私もテンションが上がっていたのでそれに加わり大はしゃぎしました。ですが、それがまさか後にあんなことになるとは夢にも思わなかったですね」