なぜ日本の若者は幸せに見えないのか?フジテレビ社員が映画で伝えたいこと
20代で経験すべきは“正しい負荷”
36歳となり、いまでは職場で全体を見る立場になった田部井監督。自身の20代を思い返したうえで、最後に若い世代へ伝えたいアドバイスを教えてもらった。
「20代の頃に“正しい負荷”を経験した人は、30代以降が楽になると僕は思っています。というのも、それを知らないまま20代を過ごすと、あとで重いものが来たときに耐えられないことがあるんですよ。ただ、ブラック的な負荷だったらそれは即やめたほうがいいですね。
ムヒカも言っているように働き過ぎはダメです。そうではなくて『休みがなくてつらいのか』『やりがいがなくてつらいのか』という“つらさの種類”を言葉にして見極めるのが重要。なぜつらいのかが自分のなかで腑に落ちると、次のステップに行けるようになりますから。そのためには、自分が興味のあることや自分なりのテーマを見つけて行動していくことが大切だと思います」
波乱万丈な人生を駆け抜け、84歳のいまなお人々の幸せを願い続けるムヒカ。現在は新型コロナウイルスの影響で生き方や人生観が一変しやすい時期だけに、その言葉にも重みが増してくる。地球の裏側から届けられる思いは、いまの私たちを力強く後押ししてくれるはずだ。
<取材・文/志村昌美 撮影/詠祐真>