マクドナルド、スタバ、ケンタ…「アプリ」戦争で勝つ外食チェーンは?
「モバイルオーダー」と「ネット決済」機能が追加
公式サイトや他アプリのユーザーは76~92%がアプリも利用しているのに比べると、やや寂しい感じなので、アプリへのモバイルオーダー機能追加でネット予約が増やせるか、おそらくマック社内でも注視していることでしょう。
2012年から提供してきたデリバリーサービスにも、2017年からUberEATSを取り入れるなど、従来は自前や単一アプリにこだわらない戦略だったようですが、ちょうどこの原稿を書いている3月下旬、マクドナルド公式サイトに「モバイルオーダー」と「ネット決済」機能が追加されました。
最初に表示されるおすすめメニューからクーポンに気づきづらいなど(使えるのですが)ユーザーインターフェイスはちょっと改善の余地はありながら、1つのアプリでオーダーから決済まで済むので、オーダーと決済の機能はケンタッキーやスタバに追いつきました。
店舗によっては席まで運んでくれるなど、受け取り方法も事前に指定できます。ファストフードのほか回転寿司やファミレスが提供するアプリは省人化を目指したものが多いなか、マクドナルドは逆にあえてアナログ含むサービス強化にデジタルツールを活用している印象です。
高ロイヤリティはスタバユーザー
主要アプリの併用状況からは、国民的アプリとしてのマクドナルドの強さが浮き彫りに。属性がちがうスターバックスユーザーでさえ65%はマクドナルドアプリを併用するなど、チェーン店アプリユーザーのほとんどはマクドナルドアプリを使っていると考えてよさそうです。
一方、アプリ所持ユーザーに占める利用ユーザー(アクティブユーザー)の比率からは、スターバックスユーザーのロイヤリティの高さが伺えます。主要アプリの中で唯一70%を超えた月があり、消費増税後もむしろ増加傾向です。
ケンタッキーフライドチキン、モスバーガー、ロッテリアは2018年に比べアクティブ率が高まっているものの2019年秋以降がやや低下傾向で、消費増税にネガティブな影響を受けたのでしょうか。マクドナルドは60%前後でほぼ横ばい。他のアプリと違い現時点ではFSPに注力していない分、大きな変化もまた少ないのかもしれません。