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マクドナルド、スタバ、ケンタ…「アプリ」戦争で勝つ外食チェーンは?

ビジネス

 未曾有の自粛要請で外出が制限されるきょうこの頃。外食の回数や金額は変化していますか? ただでさえ胃袋をめぐる競争が厳しいなか、外食産業は人件費高騰、さらに消費増税、新型コロナウィルスと一層深刻な状態です。

マクドナルド

※イメージです

 しかし、実はファストフードだけは堅調に推移しています。2019年10月はどの業態も売上を落とすなか唯一、対前年比プラスを維持し、その後も2月にかけて上昇傾向です(3月の影響は相当懸念されますが)。なかでもマクドナルドは2月に50か月連続売上増、今期決算対前年比+4.0%、全店売上予想5710億円を公表しています。

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図表 1 外食産業の対前年比売上高(日本フードサービス協会「データから見る外食産業」)

 人手不足と多様化するニーズの獲得へ向け外食産業各社が注力するのが、独自アプリやSNSを通じた個人に対するマーケティングです。クーポンやネット予約、デリバリーなど機能も充実してきましたが、みなさんも利用しているかもしれません。株式会社ヴァリューズによる国内ユーザー行動ログから、主要ファストフード/カフェアプリの利用動向を探ってみます。

国民的アプリと化すマクドナルド

 月間ユーザー数はマクドナルドがぶっちぎりの2000万超えで、消費増税後の2019年12月も2090万人が利用しました。700万ユーザー程度で推移するケンタッキーフライドチキン、同400万ユーザー程度のスターバックスも右肩上がりで増加傾向ではありますが、マクドナルドが桁違いで他アプリを引き離しています。

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図表 2 主要ファストフード/カフェアプリのユーザー数

 カフェだとスターバックスのほかドトール、ベローチェ、上島珈琲店などもアプリを提供していますが、いずれもあまり存在感がありませんでした。

 これに対し、実はマクドナルドアプリ、日本でいちばん使われているアプリのひとつです。全カテゴリーのトップ10にはLINEやTwitterといったSNS/コミュニケーションやEC、相変わらず人気のPayPayなど、生活密着機能のアプリが顔を並べるなか、フード&ドリンクで唯一ランクインしています。

 1年間で309%ユーザーが増えたPayPayのような急成長ではないものの着実にユーザーを集め、若干利用が減った2019年2月に比べて12%の成長を遂げました。

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図表 3 全ユーザーの利用アプリランキング(2020年2月。黄色はコミュニケーション/SNS、ピンクはEC、ブルーは決済/ポイント)

ファストフード店はクーポン、スタバはFSP

 マクドナルドアプリの主な機能は、店頭で提示するとおトクに商品が買えるクーポン提供と店舗検索、メニューの詳細情報提供です。プレミアムローストコーヒーMサイズ150円が120円、マックフライポテトLサイズ330円が190円といった単品メニューも、朝マックやキッズ向けハッピーセットも対象なので、わかりやすいです。

図表 4 クーポンでいつでもセットメニューなどがおトク

 スターバックス以外のファストフードアプリはいずれもこうしたクーポンを提供しています。

 ケンタッキーフライドチキン「チキンマイル」やスターバックス「Starbucks Rewards」、モスバーガー「MOSポイント」のような独自ポイントプログラムはなく、マクドナルドのアプリで貯められるのはdポイント、または楽天ポイントです。

 いわゆるFSP(Frequent Shoppers Program。購入に応じたサービス・特典の提供)という観点では、ケンタッキーフライドチキン、スターバックス、モスバーガーのほうが充実した印象でもあります。

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