「儲かる人の特徴とは?」moto×鈴木祐が語る、自分の強みの見極め方
儲けたいなら「コツコツ」が当たり前
――motoさんは儲かるタイプの典型とのことですが、鈴木さんがmotoさんを統計的に分析するとどんな要素がありますか。
moto:それはぜひ分析してほしいです(笑)。
鈴木:年収の上位2.5%に入る金持ちを研究した論文があるのですが、今のところ全部当てはまっています。
まず、「好奇心」が第一条件なんです。そして「誠実性」。これはコツコツやる能力のことです。「統制の所在が内側にあるかどうか」もありますね。何か悪いことが起きても他人の責任にしないし、逆に良いことが起きたら「これは自分の努力のおかげだ」と素直に思えることを意味します。これが意外とみんなできない。
あとは「感情の安定」。お話をしていてもmotoさんはブレないですからね。もう、なるべくして金持ちになったなと。
moto:なるほど(笑)。でもその条件って割と普通な感じしますね。地道にコツコツやることも、他責にしないこともブレないことも、当たり前というか……。
鈴木:金持ちはみんなそう言うんですよ。普通のことを普通にやっているだけって。その通りなんだけど、それができないんですよ(笑)。みんな自分の決断に不安を感じたりするんですよ。
自分の強みを分析し、リスクを分解
moto:僕はサラリーマンで失うものはないって思っているんですよね。失敗しても命を取られるわけではないですし(笑)。
鈴木:motoさんはブレない人だから(笑)。全員がmotoさんのマネをしてもうまくいきませんよ。痛い目に遭います。その境地まで至れない人は、自分の強みを分析して、リスクや不安を分解していくしかないでしょうね。
――自分の強みはどのように見極めたらいいのですか。
鈴木:そこは「比較優位」を意識すべきでしょうね。これは、組織のなかで“相対的”に優位なポイントを見つけて、そこに特化した方が活躍できるという理論です。
例えば、ある企業に勤めるAさんは、企画と営業のどちらの面でもBさんより能力が上だったとしましょう。一方でBさんは、Aさんには劣るものの、企画よりは営業の方が得意だったとします。
しかし、いかにAさんが万能だからと言っても、ひとりの人間ができることには限界があるので、企画と営業をすべて行うのは得策ではありません。このときBさんは「営業について相対的に優位だ」と考えられるため、企画はAさんに任せてBさんは営業に特化した方が活躍できるでしょう。これが「比較優位」の考え方です。
つまり、個人の強みは他者とのパワーバランスによって決まるので、自分だけが好きなことや得意だと思うことを追いかけるのはコスパが悪い。あくまで周りと比べて得意なことに特化した方がかけがえのない人材になれるんです。