「モンスター顧客」のトンでもない要求に、新人営業マンが学んだこと
社会人史上最悪な出来事
「納品が遅れる原因にもなるので、『今後はデータをしっかり確認してもらわないと困ります』とその方に伝えました。するとその日の夜、自分の上司から呼出しが。『お客様に失礼なことを言うな! 取引を打ち切られたらお前の責任だ!』と怒鳴られました。何でも、私の一言がクライアントの怒りに触れ、私の上司に告げ口をしたようです」
全く非のない状況にもかかわらず、クライアント、上司の双方から責められるという事態に。「今でも思い出したくない」と苦い表情を浮かべます。
「結局上司とクライアントの元に行き、頭を下げるハメになりました。何で謝らないといけないんだと思いながら謝罪したのを覚えています。
自分のミスを認めないうえ、こちらが悪いかのようにクレームを付けられる。信用していた上司にも事情を分かってもらえず、今でも社会人史上最悪な出来事です」
クレーマー取引先を反面教師に
「謝れない大人」の存在に散々苦しめられてきた鈴木さん。そのような社会人生活の中で学んだこととは……。
「少しでも自分に非があると思ったときは、必ず謝罪の旨を伝える。これは仕事でもプライベートでも特に意識するようになりました。理不尽な理由でこちらが謝るほど苦しいことはない。そのことを学べたので、ある種良い経験にはなったかなと思いますけどね」
印刷会社を1年で退職し、現在は別の職場で活躍しているとのこと。「もうクレーマーには出会いたくない」と苦笑をこぼしました。
<取材・文/筒井あやこ>
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