部下が作った資料を目の前でゴミ箱に…パワハラ上司を告発した結末
人事部トップはパワハラの訴えを無視
「後で知ったのですが、人事部のトップがなんと上司の高校時代の先輩だったんです。しかも、ウチの会社にヘッドハンティングするきっかけを作った人らしく、その人からは『君の思い込みが強く、パワハラとは言えない』って。
上司は、私に対する態度はともかく、ウチに転職してからも仕事の実績を出していました。それに上司が問題を起こしたとなれば紹介した人間の責任問題にも発展しかねません。そういうこともあって、私の訴えを黙殺することにしたんだと思います」
これで会社に残ることに何の希望も見いだせなくなった立花さんは辞表を提出。すんなり受理されましたが、統括マネージャーからは何度も謝られたとか。
「社内でも2人の関係を知っていた人間はほとんどいなかったので仕方ないですよ。むしろ、私の件で立場が悪くならないか統括マネージャーのほうが心配でした」
退職後は故郷に帰り、父親が経営するプラスチック部品メーカーに勤務。営業課長兼パワハラ対策の責任者として毎日汗を流しています。
「社員50人に満たない田舎の小さな会社のため、パワハラ対策などが進んでいませんでした。そこで一定以上の年齢の社員を対象に研修を行ったり、外部機関と提携して社員専用の相談窓口を設置するなどしてパワハラの起きない社内環境づくりに努めています」
上司のパワハラ放置に失望して会社を去ることになりましたが、今はその辛い経験を前向きに生かすことができているようです。
<TEXT/トシタカマサ>