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痴漢に遭った女性に駅員が発した「まさかの一言」。OL3人の被害体験談

学び

便利な機能を悪用する不届き者も

 最後はテクノロジーの進歩によって登場した、新手の痴漢被害に遭った宇田恵梨香さん(仮名・25歳)のお話です。

「エアドロップ機能を使った“エアドロップ痴漢”の存在は知っていたのですが、自分の身に起こるとは思っていませんでした」

 ご存知の通り、AirDropはApple製端末同士でデータを共有できるシステム。端末ごとに受信対象を設定できるので、恵梨香さんもエアドロップ痴漢を知ってからは受信する設定を「連絡先のみ」にしていたそうです。

「私の通勤時間は片道1時間ほどで、初めてエアドロップ痴漢に遭ったのは帰宅時の電車内でした。その日は仕事中にエアドロップを使ったので、設定を『すべての人』にしたままになっていたんです。

 電車内でメールのやり取りをしていたら、いきなり男性器の写真が表示されました。突然のことで咄嗟に『辞退』を押してから、エアドロップ痴漢だということに気付きました。その日は12時間ほどカンヅメで働いてヘトヘトになっていたので、まさに泣きっ面に蜂といった気分になりました」

設定名を戦国武将みたいな名前に

驚く女性

 その後もたまに設定を解放したままになっていることがあると、高確率で局部の写真が送られてきましたといいます。ひどい時は、辞退しても2度3度と同じ写真が送られてくるようで……。

「キョロキョロして犯人に気取られるのが嫌だったので、平静を装って目線だけで周囲を確認しましたが、やはり犯人は分かりませんでした。でも、エアドロップは半径9メートル以内でないと送れないので、少なくとも同じ車両内には犯人はいるんです。そのことがさらに気持ち悪さを助長しました」

 その後、知人のアドバイスにより、犯人が端末の名前から女性を割り出していると知った恵梨香さん。確かにローマ字の本名で設定しており、戦国武将みたいな登録名に変えてみたそうです。また、エアドロップを使った後は必ず設定をオフにすることを心がけることで被害に遭うことも無くなったとか。

「エアドロップ痴漢を“たかが写真”とは思ってもらいたくないですね。加害者にも世間的にも犯罪だという認識が薄いように感じます。好きでもない人から、しかも突然、局部の写真が送られてきたら、それはもはや暴力に等しいと理解してほしいです。屈折した露出癖なのかもしれませんが、送られた女性は強い不快感でいっぱいになります」

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 最近では幸いにも、エアドロップ痴漢にも逮捕に至るケースが出てきました。また、iOS13では表示の仕様が変わり、いきなり画像を目にする機会は減少。今後アップデートが進めば、遅かれ早かれ絶滅する運命にあるのではないでしょうか。

特集・私の“痛勤ラッシュ”レポート

<TEXT/阿形美子 イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

1994年生。大学卒業後、フリーの編集・ライターとして活動中。底抜けの飲んべえゆえ酒ネタが多いが、インタビューやモノ記事、カルチャーネタなどもカバーする。Twitter:@agata_yoshiko

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