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大阪発祥「スパイスカレー」の次に流行るカレーとは?

暮らし

大阪発のスパイスカレーが流行

カレーブーム

カレーブームの変遷を表した図(カレー総合研究所より提供)

 横濱カレーミュージアムをハブにして、今まで知られていなかったカレーを世に広めた井上氏の手腕は、まさにブームの火付け役と言っても過言ではないだろう。

 こうした取り組みは、カレーで地域活性化を図ろうとする「ご当地カレー」の流れを加速させ、多くの自治体がご当地のレトルトカレーを販売するようになったのだという。

 他方、カレーのトレンドは変化が早く、次々と新しいカレーが登場する。キーマカレーやバターチキンカレー、そしてスリランカカレー。食業界全体のトレンドやカレーに対する味覚の変化など様々な要素に注目し、ブームを予測する井上氏は直近のトレンドを次のように語った。

「2017年ごろから大阪発のスパイスカレーが流行になっています。インドカレーにあるようなスパイスの配合にこだわらず、自由な発想でスパイスをブレンドした『創作カレー』のようなものです。香辛料だけでなく、山椒やワサビなど日本人の口に合うような和出汁を使うのが特徴。地域ごとにスパイスをアレンジし、独創性に優れたカレーの1ジャンルとして定着しつつあります」

自分たちの食べたいカレーを追究

カレーの世界史

井上氏の著書『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)

 スパイスカレーがなぜ大阪で生まれたかについて、井上氏の著書『カレーの世界史』には「料理を本業としない人たち(元ミュージシャンや元クリエイターなど)が自分たちの食べたいカレー、好きなカレーを追求して出店し、その結果、人気を得たお店が多い」と説明している。

 お店の営業形態も、夜は居酒屋やバーで利用する店舗を昼間だけ間借りして営業するカレー店が多く、だからこそ斬新なアイディアを元にしたスパイスカレーが誕生したという。

「カレーの外食文化が一般化し、愛好家ではなく一般消費者でもスパイスカレーやスープカレーなど日本オリジナルのカレーの味を知り、理解できるようになってきています。

 また、昼などの一定の時間(期間)だけ借りて営業する間借り方式の店舗経営が普及してきているので、今後も様々なスパイスカレーが出てくるのではないでしょうか。こうした影響も相まってか、ここ数年でおよそ500店舗以上のカレー専門店が出店し、2001年以来のブーム再燃が起こっています」

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