リストラされたのは優秀なおじさん社員…。謎人事に困惑する若手社員の嘆き
人事制度改革で現場は大混乱
人事制度改革後の社内の様子を、白川さんはこう語ります。
「人事制度改革で若手をかなり重宝する動きになり、それ自体はすごくありがたいし、いいと思うんです。実際に、若手中心のプロジェクトチームがたくさん立ち上がって、活気づいています。けど、若手のアイデアを現場で具現化したり、フォローできる人がいないんです」
現場を知り尽くし、経験も知識もあるおじさんたちはどこかへ左遷され、残ったのは仕事のできない管理職と忙しい中堅どころだけという事態になっているとか。
「おじさん管理職は仕事ができないので、若手の斬新なアイデアに『いいね、それやろう』と無責任にわかったふりをして丸投げで、無駄な説教や口出しをしてきます。会議も減らず、現場は若手だけではまわらず、大混乱です」
結局は、仕事をしないおじさん管理職のしわ寄せがどこかで発生している様子です。
雑な人事制度改革にうんざり
「おじさんをひとくくりにして、“お荷物”というのも違うのかなと思います。その辺の見極めを人事部にはきちんとしてほしかったです。役職はつかないものの、現場を回し続けてきたおじさん達がいなくなったのは、会社の損失といってもいいと思っています。結局、本当のお荷物は残ったままで問題は解決されていませんからね」
人事制度によって、若手はやる気を取り戻したものの「おじさん」というくくりで、左遷される現状をまのあたりにした白川さんはこう語ります。
「今度は現場の混乱具合を知り、左遷したベテラン社員を何人か呼び戻したという話を聞きました。人事の方針が変わりすぎるのでついていけないし、その場しのぎ感も拭えません。社員が駒そのものの扱いで嫌ですね…」
白川さんは現在転職活動中とか。一見、素晴らしい動きに見える人事制度も蓋を開けてみれば大混乱ということもあるようです。
<取材・文/瀧戸詠未 イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>