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ヤマダ電機、大塚家具を子会社に。攻めの経営と社員の声に温度差?

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住宅分野に進出した理由

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※画像はイメージです

 2010年以降は、3つ目の「家電オンリーから新領域への挑戦」の時代としている。「日本最大級のネットワーク・サービスのIoT企業」を長期ビジョンとして掲げ、IoT化が進む中で、新領域への進出が必要不可欠となっていると分析。中でも積極的に進出が進められているのが住宅分野だ。

 今回の大塚家具との経営統合以前にも2011年エス・バイ・エル株式会社、続く2012年には株式会社ハウステックを子会社化。2018年にはハウス事業を統合し、株式会社ヤマダホームズを設立。今回の大塚家具の子会社化以前から住宅分野の強化は意識的に進められていた。

 そして長期ビジョン達成のために取り組まれているのが「住環境がすべて揃う」と謳った「家電住まいる館」になる。「家電住まいる館」は全国で急速に店舗数を拡大。上述の通り、大塚家具のノウハウが「家電住まいる館」に投入される予定だ。公式サイトの代表取締役会長山田昇氏のメッセージによると、体制も整い今後は利益創出の段階に入っていく予定だという。

 創業から変わらず「創造と挑戦」という企業理念を掲げるヤマダ電機。理念通りの積極的な挑戦が続けられており、今回の件もビジョン達成の一環として見ることが出来るだろう。なお、ヤフーファイナンスによるとヤマダ電機の従業員数は1万432人で平均年齢は38.7歳。平均年収は443万円と公開されている。

ヤマダ電機の新事業、社員の声は?

 積極的に新事業へと進出しているヤマダ電機だが、実際に働いている人はどのように思っているのだろうか。年間2000万人が訪れる企業の口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」に寄せられた口コミから紹介したい。

 口コミの中では意外とも言うべきか、ここまで紹介してきたヤマダ電機の新しい取り組みについて辛口な意見が寄せられている。

「住宅、リフォーム部門に力を入れているが、結果がついてこない。理由は明確で、事業拡大を優先しており、スタッフの育成がまるで出来ていない為、家電を販売するスタッフが兼任する事も多い。評価制度は個人の実績だが、リフォームの受け付けをしても個人の実績にならない上、報奨金も現在は無くなってしまいモチベーションが上がらない」(フロアスタッフ/30代後半男性/正社員/年収480万円/新卒入社/2018年度に関する口コミ)

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