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1日4兆円を売り上げる“中国最大の祭典”とは?「独身の日」を知る

ビジネス

 中国で11月11日に行われた「独身の日」は、中国EC大手のアリババ(阿里巴巴)グループが2009年に始めたセールで、2019年で11年目を迎える。

ジャックマー

ジャック・マー(アリババグループ) Credit: Dreamstime

 この頃、日本のメディアでも取り上げられる機会が多くなってきたが、「世界最大のネットショッピングの祭典」とも呼ばれ、2019年はわずか1日で過去最高の4兆1000億円の売上を記録した。

 この独身の日について詳しく知るため、「天猫(Tモール)」「淘宝網(タオバオ)」など中国のECサイトの運営代行を行う株式会社C2Jジャパン代表の大野雄一郎氏に話を聞いた。

アリババグループの創業者がはじめた

――そもそも「光棍節(こうこんせつ)」とも呼ばれる独身者のための記念日が、なぜこのようなショッピングの祭典になったのでしょうか?

大野雄一郎(以下、大野):買い物の祭典としての「独身の日」を生んだのは、アリババグループの創業者であるジャック・マーです。もともと中国では独身者が、この日に結婚相手を探したり、プレゼントを贈っていたのですが、2009年からECサイトの販促イベントとしてスタートし、定着しました。

 2014年から「天猫国際(Tモールグローバル)」というECサイトができて、中国に現地法人を持たない企業でも出店が可能になった。その翌年の2015年からが本格的に独身の日が盛り上がって「越境EC元年」とも言われています。

日本の「年越しの盛り上がり」に近い

中国 ショッピング

――日本企業はどのように受け止めていますか?

大野:とにかく売上の金額がすごいので、参加する企業も1年がかりで入念に準備をしています。日本でもブラックフライデーやアマゾンプライムデーがありますが、盛り上がりはその比ではなく、前日の夜から日付が変わる瞬間を待って買い物をする人も多いです。日本で例えると年越しの盛り上がりに近いですね。

――なぜ企業はTモールを使用するのでしょう。

大野:Tモールが中国最大のECサイトとして魅力があるのはもちろんですが、それ以外に、中国で商売するのに必要な、三単合一という「オーダー情報」「支払い情報」「輸送情報」の3つの情報がデータ連携された通関システムをもらえることが大きいです。

 三単合一を持つことで、配送手段を、中国の保税倉庫を活用した「保税区モデル」と、日本から商品を個別配送する「直送モデル」から選ぶことができて、それぞれ配送時間を短くできたり、商品を一度に大量に輸出入できるなどメリットがあります。

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