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88歳・現役ドクターが語った“負けず嫌い”健康法

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 御年88歳にして、いまだに週5日の診察に加えて、講演や執筆に精力的に取り組んでいるという医師の松原英多氏。現役長寿ドクターが考える健康習慣とは?

医者がやらない健康法

執筆もカルテの整理もパソコンをフル活用して行う松原氏。「私は字が汚いので、パソコンがあるから本を書き続けられています(笑)」

1931年生まれの現役ドクターの健康術

「以前、日本テレビの『おもいッきりテレビ』で健康情報コーナーを担当していた当時は一日3時間寝られればいいほうでした。テレビに出演したことで講演や執筆の依頼は急増。当然、診療の準備もあったので、別に早起きをしたいわけではなかったのですが、何時に寝ても毎朝6時には起床。そんな生活を20年以上にわたって続けていたので、とても自分の健康にまで気を使う余裕はありませんでしたね(笑)」

 そう相好を崩す松原氏だが、自身の同年代で大病せずに年を重ねる人の多くに共通点があるという。

「『おしゃれでいること』は大切ですよ。以前、ファッションの専門家の方から『ジーンズはウエスト79cmが一番、きれいに見える』と聞いたので、今でもそのサイズをはけるようにしています(笑)。見た目に気を配ることは社会性を持ち続け、心身を健やかに保つことに直結するのでバカにできません。ある大学病院の調査では年相応よりも若い服装をしていた高齢者はそうでない同年代よりもコレステロール値が低くなったというデータもあるそうです」

 見た目だけでなく、心の持ちようにもある傾向がある。

「負けず嫌いでいることは健康の秘訣のひとつかもしれません。最近では漢方についてよく文献を読んで、情報を仕入れるようにしていますが、理由はこの分野なら若い医者たちとも張り合えるから。最先端の西洋医学だとなかなかそうはいきません(笑)。同じ文献でも繰り返し読むことでこの年になっても新たな発見があるので、読書を続けるのは楽しいですよ」

やることがなくなると急に人は老ける

 これまで200冊を超える書籍を出版してきた松原氏だが、年を重ねてもなお、インプットもアウトプットも怠ることはない。

「執筆の依頼をいただけるうちは書き続けたいですね。ずっと書き続けていればたまにヒットする本も出てくれる(笑)。やることがなくなると急に人は老けるので、必要とされているうちはまだまだ現役でいるつもりです」

 自らが必要とされる居場所を保ち続けることこそ、大きな効果を発揮する健康法のひとつのようだ。

医者がやらない健康法

松原英多氏

【松原英多】
医学博士。’31年、東京都生まれ。日本東洋医学専門医、日本温泉気候物理医学会設定医。『おもいッきりテレビ』のホームドクターとして23年にわたりレギュラー出演

― 医者がやらない健康法 ―

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