海外出張中の上司から“時差無視”のメール「俺をバカにしてるのか!」
酔うと国境を越えてブチギレる上司
もう二度と怒られないようにと頑張っていた祥子さんですが、同じようなことは何度も起きました。
「企業がエントリーする国際コンペティションで会社が受賞したかどうかが、日本時間の朝方に分かることがあったのですが、現地に上司がいるのにもかかわらず、『その受賞結果をネットで拾って、速報で全社メールに展開するよう』と命じられたこともありました。朝方は日本の社員は誰も起きてないし、現地にいる上司が報告すべきだと思ったのですが……」
なんと非効率な業務命令でしょう。このような、意味不明の仕事を指示されていたのは祥子さんだけではありませんでした。
「私の前に同じポジションにいた元社員も、同じような経験をしていたことを噂で聞きました。どうやら、上司は現地でお酒に酔うと性格が荒くなるようです。普段は温厚でユーモアのある人なので憎みきれないのですが、部下への当たりの強さはどうにかしてほしいです」
無理に耐えても…精神も、体力も持たない
アルコールが入ると国境を越えて部下に攻撃的になるという上司。同じような経験をした人が過去にいるのであれば、祥子さんの勤務態度に問題があったとは考えにくいかもしれません。
祥子さんはしばらくして転職をし、同業種でストレスなく過ごしています。
「無理に耐えていても、精神も、体力も持ちません。でも、私にもう少し異論を言える勇気があったら、上司の行動も少し変わったのかなと今になって思います」と振り返ります。
<取材・文/bizSPA!取材班 イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>
12