社内交流ではじめた靴磨きが副業になった26歳。靴メーカーとのコラボも
サラリーマンという言葉が生まれて以来、これほどまでに将来不安が膨らむ時代があっただろうか。終身雇用が崩壊し、大企業では40代半ばでの早期退職募集が続出。さらに「老後2000万円問題」に象徴されるように、定年後など悪夢しか描けないような状況だ。
「ひとつの会社に身を捧げる」といった価値観とは無縁の若手社員のなかには、入社後すぐに副業を始める人も。その姿から、これからの時代に求められる生き方を改めて考えてみよう。
「革靴の伝道師」を目指す26歳マーケター
「2017年に入社して翌年1月から社内で靴磨きを始めました。最初は無償で行っていたんですが、それが今では副業になっています」
そう話すのは、ソーシャルメディアやシェアサービスを手掛けるガイアックスに勤務するマーケターの小東真人さん(26歳)だ。
「ウチの会社はそれぞれの部署が独立採算的で私の所属部署もリモートワークとフリーアドレスのため、部署全体の集まりが週に一度あるだけです。そんななかで『もっと社内の人と交流したい』と思い、革靴が好きで販売店で働いていたこともあり、得意な靴磨きをやってみようと思ったんです」
社内交流のために始めた靴磨きだったが、周囲からは本人が驚くくらい好意的な反応があったという。そこで靴磨き専用のSNSアカウントをつくり、その様子をアップするようになった。
「そしたら、企業向けのコンシェルジュサービスを提供する会社に勤める方から『社外でも靴磨きをしてみない?』とご提案をいただいて、都内の企業数社に出張することになったんですよ」
相談した事業部長から社外での活動を承諾してもらい、こうして晴れて副業がスタート。次第に「出張靴磨き屋」としての活動が注目を集めるようになった。今では月に数回、半休をとって一回5000円程度の出張を行い、月に数万円の副収入になっているという。