プレゼン本番でも緊張しない秘策。吉本興業の演技コーチに聞く
ビジネスの現場では緊張を余儀なくされる場面がたくさんありますよね。
・スピーチやプレゼンなど人前で話すとき、いつも頭が真っ白になってしまう
・就職や転職の面接でビビリすぎて、うまく自分を表現できない
・初対面の人や目上の人と話すとき、不安で逃げ出したくなる
・商談や会議の席で、必要以上に緊張して失敗ばかりしてしている……
などなど……。
「緊張しないぞ!」と意気込んでも、「僕は緊張していない!」と暗示をかけても、まったく効果がなく、それどころかますます緊張のドツボに――。そんな経験をしたことのある人は少なくないと思います。
吉本興業の演技コーチが教える「緊張のとり方」
「緊張してしまう人を指して、『他人の目線や評価を気にしすぎ』だとか『自分のことしか考えてない』だとか、あたかもモノの考え方で緊張はとれるものだと主張する人がいます。でも、人はメンタルを直接操作することはできません。だから緊張には、『心』とか『メンタル』とか『気の持ちよう』ではなく、まったく別の角度からアプローチして解決する必要があるんです」
こう力説するのは、吉本興業沖縄ラフ&ピース専門学校の演技コース講師で、20年以上にわたって演技トレーナーをしている伊藤丈恭さん。
伊藤さんは著書『人前で変に緊張しなくなるすごい方法』(2019年6月・アスコム刊)で、演技理論に基づいて考案した「緊張撃退メソッド」を紹介しています。俳優を志していた伊藤さんは、緊張のせいでセリフが飛んでしまったり、舞台上でテンパってしまったことが何度もあったそう。
その後、古今東西の演劇理論を学び、「緊張のとり方」を研究し、日本人に合ったオリジナルのメソッドを考案。すると人前で緊張することがほとんどなくなったといいます。今回は数ある「緊張撃退メソッド」のうち、選りすぐりの2つをご紹介します。
「ジブリッシュダンス」で緊張しやすい自分を壊す
まず1つ目はジブリッシュダンス。ジブリッシュとは「めちゃくちゃ言葉」という意味です。
意味も設定も感情も何も考えずに、たとえば「シュビドゥバ ドゥバラ~ララ ルラレ」などとなんちゃって外国語みたいな、めちゃくちゃ言葉でしゃべりまくります。同時に、めちゃくちゃなダンスを踊ってください。声の抑揚やトーンを変えて、何も感じていなくても笑ったり、ふざけてみるのがポイント。
緊張する出来事がある当日の朝に、最低2分程度は行ってください。きちんとした日本語を話さなければならないという常識や理性から解放されて、「緊張しやすい自分を壊していく」のが目的です。