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20代社会人も知るべき、チームをまとめる「ディズニーの教え」

学び

20代だけの特権は、○○でいること?

――20代にしかできないことがあるとのことですが、それはなんですか?

香取:それは、アホがつくくらい素直でいること。若いうちは、無理に賢く見せる必要はないんです。素直に「わかりません」「初めてやります」と言えば、周りはみんな教えてくれるよ、タダで(笑)。

 しかも、そのほうが絶対に可愛がられる。これって本当に、20代だけの特権。30~40代でアホキャラ演じるのは難しいでしょ(笑)。

「後輩が言うことを聞かない」=自分を変える

香取貴信

――入社から数年経って部下を持ち始めたとき、自分の指示に従ってくれない部下がいたら、どうすれば良いのでしょう?

香取:まず必要なのは、自分が理想の上司になること。リーダーシップは部下の目線で考えれば簡単なんです。尊敬している人に指導されたら素直に従えるよね。だから、部下に尊敬してもらえる生き様を、自分が見せるんです。

――具体的には、何をすべきですか?

香取:言葉ではなく、自分の行動で伝えることです。口では綺麗事を言えるけど、行動にはその人の本音が表れてしまう。あなたの振る舞いを、部下はよく見ているんです。

 だからまず、自分が変わらなくちゃいけない。管理職が管理すべきは、自分そのもの。管理職は、“自分管理職”なんです。上司が成長する姿を見て部下も変わっていく。部下を変えようとするのではなく、まず自分を磨くことが先決ですよ。

「チーム全員の幸せを尊重する」と、部下が育つ

――リーダーを任されたとき、うまくまとめるコツってありますか?

香取:まず大事なのは、相手を認めること。彼らのどんな意見もまず一旦、受け止めてあげる。メンバーの個性や意見を否定していたら、自由に意見を言えない雰囲気になってしまいますから。

 でも、肯定ファーストで接していると、誰もが自由に発言できるチームになる。リーダーはメンバーの個性をコントロールするのではなく、長所を伸ばしてあげるべき。自分の個性を表現できる場のほうが、働いていて幸せですよね?

 誰しもみんな幸せになるために働いているはずなのだから、日頃の職場も幸せにすべきなんです。

――チームを厳しく律するのではなく、まずは風通しを良くするんですね。とはいえ、リーダーには厳しいことを言わなくてはならないときは?

香取:はい。必要なときに注意することは、リーダーの仕事のひとつです。前回のインタビューでもお話したディズニーの教え「嫌われ者はいらないけど、嫌われ役は必要」ってこと。嫌われ役というのは、チームのみんなが言いづらいことを代弁する役割。

 とはいえ、感情のままに怒ってしまったら、それは嫌われ者です。注意は“チームが最高の力を発揮するため”のものだと、理解してください。

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