若手芸人コンビ・宮下草薙、ブレイク前夜の心境は「どうなってもいいや」
草薙、相方に厚い信頼「絶対折れてくれる」
――養成所を卒業後に宮下さんはピン芸人として活動、草薙さんは漫才コンビを何度か解消したそうですね。
宮下:当時、僕は「オレのセンスを見ろ!」 みたいな漫談をしていました(苦笑)。ちょうどバカリズムさんが注目された頃だったので、無謀にもフリップを使わずに話術だけで勝負してましたね。
草薙:僕はなぜか相方に嫌われちゃうんですよ……(うつろな目で宮下を見て)なんで嫌われたんだろう、オレ?
宮下:コイツは「あの女の子かわいい」とか、男がする一般的な会話ができないんですよ。たとえば「なにフェチ?」って聞いたら、まともに答えずに「トリケラトプスのおしり」って答えたりとか(笑)。
草薙:恥ずかしいんですよ……まだ組んで半年くらいのヤツに情報を渡せないっていうか。逆に言うと、はじめてですよ、こんな3年とか続いてるの。ケンカとかしても、「悪かったな」って(宮下が)最終的に絶対折れてくれるし。それまでは空気が悪くなって、そのまま解散ってパターンだったので。
宮下:今はコイツが面白いからフォローしてますけどね。つまらなくなったら殺そうと思ってます(笑)。
テレビ初出演の心境は「どうなってもいいや」
――結成3年目という早い段階で注目されましたが、結成当初から草薙さんの被害妄想をメインとする漫才スタイルは変わらず?
宮下:最初から今の形で、けっこうウケてたんです。ただ、なぜかコイツ(草薙)が途中で方向性を変えようってなった時期があって。NON STYLEさんみたいな漫才だったんですけど、それがめちゃめちゃスベッた(笑)。で、「やっぱり元の形に戻そう」ってなったことはありましたね。
草薙:本当はテンポが早くて明るい漫才をやりたかったんです(笑)。ただ、僕らは普通にボケるような漫才をやってもウケなかった。ライブで試してみて、ウケた部分だけを残していったら今の形になった感じですね。
――2018年の元旦、『ぐるナイ』のおもしろ荘SPでテレビ初出演。女優・綾瀬はるかさんなど、錚々たるメンバーの前で漫才を披露したときの気持ちは?
宮下:ずーっとフワフワしてました。おもしろ荘のオーディションってライブ形式なんですけど、僕らぜんぜんウケなくて、あとから聞いたらビリだったんです。「でも面白いから」ってことで、スタッフさんにねじ込んでもらったみたいで。
草薙:そういう流れもあって突然だったから、本当にあんまり覚えてないんですよ。テレビ番組の前説とかもやったことなくて、「まだ早いだろ」って気持ちもあったし。ただ、逆に失うものもないから、「どうなってもいいや」って開き直れたのがよかったかもしれないですね。
宮下:結果的には3位になれて、なんとかスタッフさんの思いに応えられた。その点はホッとしましたね。