会社を辞めてフリーランスに「成功する人、失敗する人」どこが違う?
終身雇用はもう現実には崩壊していて、会社員の将来は一寸先は闇といった状況だ。会社にしがみつこうとする人がいる一方で、一足先に勤め人を卒業した人たちも……。
bizSPA!世代の20代ビジネスマンからしたら、今の職場に定年退職まで40年超勤務できると考えるのは、夢物語かもしれない。
脱サラという選択肢は是か、非か?
企業に属さないフリーランスという働き方が注目を集める昨今、アフィリエイトや転売だけでなく、ネットを介して仕事を受発注するクラウドソーシングなど「稼ぐ手段」は一昔前に比べてグッと増えている。
また、独立開業資金をクラウドファンディングで集めるという手もある。ある意味、脱サラへのハードルも下がっているかに思えるが、これまで1000人以上の起業支援に携わってきた社会保険労務士の伊関淳氏は、注意を促す。
「稼ぐ手段が多様化しているのは事実ですが、じゃあ脱サラする人が増えているかというとそうでもない。実際にネットを介したサービスで稼げるのはまだほんの一握りで、クラウドファンディングで資金を集められるのも著名人やカリスマ性のある一部の人だけ。ネットビジネスやフリーランスが脱サラの主流になるには、まだ時間がかかるでしょう」
また、脱サラに失敗する人で圧倒的に多い理由が「マーケティング思考の不足」だと指摘する。
脱サラ後、失敗しない働き方とは?
「いい商品を出したとしても、SEO対策やSNSなどを含めた宣伝やマーケティング思考が足りない人ばかり。また、脱サラ前に繋がっていた会社の同僚や上司などに期待しすぎてはいけない。関係を維持するなら、お客との関係を継続させたほうが賢明です」
伊関氏によれば、今の脱サラを巡る状況は「過渡期」だという。
「将来的には、失敗しない脱サラやフリーランスになる働き方として、異業種でもなんでもひとつのことにこだわって狭く深く追求するのではなく、3、4種類に分散して同時進行で働くパラレルワーカー的な動きが増えてくるでしょう。だからこそ、今はタネをまく時期。多様化する稼ぎ方をうまく利用しましょう」
【伊関淳】
脱サラ起業支援コンサルタント。自身もIT業界を脱サラした経歴を持つ。著書に『起業して3年以上「続く人」と「ダメな人」の習慣』(明日香出版社)など
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