A.給与支払い用のプリペイドカード

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　米国ではすでに普及している「ペイロールカード」が日本で解禁されると、企業は給与を銀行などの金融機関を通さず、直接カードに振り込めます。社員は、ペイロールカードでショッピングや交通機関の利用ができたり、ATMで現金を引き出すことも可能。

　日本の法律だと、給与は、現金払いが原則で「通貨で直接労働者にその全額を支払わなければならない」と定められていますが、例外として銀行口座や証券会社の口座への入金も認められています。そのため、銀行口座への振り込みが一般的ですが、現在、厚生労働省を中心にペイロールカードへの入金ができるよう、規制改革の検討が進められています。

　ペイロールカードが解禁されれば、銀行口座の開設が難しい外国人労働者の雇用に、良い効果をもたらすとの声もあります。

　また、ペイロールカードは資金移動業者がサービスを提供しており、その事業者のなかには海外送金を中心としたビジネスを展開するものも。そのため、外国人労働者が海外の家族に送金する手続きが、今よりもスムーズに行えるようになることも予想されます。

　ただ利用者保護の観点では課題も残されており、サービスを提供する資金移動業者が破綻した際、お金が戻ってくるまでに時間がかかったり、電子マネーが無価値になってしまう可能性もあるとか。今後、ペイロールカードでの給与受け取りがスタートしたら、そういったリスクを考慮した上で受け取り方法を選択する必要が出てくるでしょう。

＜TEXT／bizSPA!取材班＞