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初代レッドアロー号は今どこを走っている?懐かしき特急形車両10選<私鉄編>

コラム

4)富山地方鉄道「10030形」

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後年、初代3000系は2代目3000系コンフォート・サルーンの登場に伴い、「8000系30番代」に改番された

 1971年、京阪電気鉄道初代3000系として登場。同社の特急形電車では初めて冷房装置とカラーテレビ(一部車両のみ)が搭載され、快適性をさらに高めた。

 昭和から平成にかけて、看板車両として君臨したが、1989年に登場した8000系エレガン都エクスプレス(現在のエレガント・サルーン)の増備に伴い、一部の車両が富山地方鉄道(以下、地鉄)に移籍。機器などの換装を経て、1991年より10030形として新たなスタートを切る。

 現在は特急から各駅停車まで幅広く活躍。初代3000系引退後は、ダブルデッカー車(2階建て車両)も加わり、『ダブルデッカーエキスプレス』として、特急を中心に運用されている。

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左は地鉄カラーの2両車、右は旧京阪特急カラーの『ダブルデッカーエキスプレス』

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台車の履き替えなどを除き、京阪時代の雰囲気を忠実に残したダブルデッカー車

5)富山地方鉄道「16010形」

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西武特急の初代車両、5000系レッドアロー(提供:西武鉄道)

 1969年、西武鉄道5000系レッドアローとして登場。西武秩父線の開業により、特急〈ちちぶ〉は池袋―西武秩父間を83分で結ぶ(現在は78分)。都心から秩父への所要時間を大幅に縮めた功績が大きく、就役時は4両編成だったが、のちに2両増結された。

 その後、10000系ニューレッドアローの登場により、一部の車両が地鉄に移籍。機器などの換装を経て、1995年より16010形として新たなスタートを切り、引き続き山を登る。

 現在、1編成は水戸岡鋭治氏の手により、『アルプスエキスプレス』にリニューアルされ、『ダブルデッカーエキスプレス』とともに、富山地方鉄道の“ツートップ”として輝きを放つ。

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16010形『アルプスエキスプレス』(提供:富山地方鉄道)

6)阪急電鉄「6300系」

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京都線特急形電車史上、最高かつ最強の6300系

 1975年、京都線用の特急形電車として登場。乗降用ドアを両端に寄せ、転換クロスシートをズラリと並べた。また、急行灯と尾灯のまわりに飾り帯をつけ、車体上部にアイボリーのアクセントカラーを配し、マルーンのボディーを引き立てた。

 6300系は30年以上にわたり、京都線特急として君臨していたが、3ドア車の9300系に後を託した。

 現在は編成短縮の上、嵐山線各駅停車で定期運用に就くほか、『京とれいん』に改造された車両もあり、土休の快速特急Aとして京都線を快走する。

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ジョイフルトレイン『京とれいん』

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