多部未華子30歳、女優業を語る「よくも悪くも反省しないタイプ」
『木枯し紋次郎』や映画「極道の妻たち」シリーズなどで知られる名匠・中島貞夫監督(84)が、20年ぶりに放つちゃんばら映画『多十郎殉愛記』が公開中です。
幕末を舞台に脱藩浪人の清川多十郎を高良健吾さんが演じ、多十郎を一心に想うヒロイン「おとよ」を多部未華子さんが演じています。
今年30歳を迎え、ますます美しく輝いている多部さんに、本作のこと、自身の仕事観やプライベートのお話などを伺いました。
今までに求められたことのない役だった
――中島監督はフィルム時代の監督さんです。現場で何か違いを感じることはありましたか?
多部未華子(以下、多部):違いというわけではありませんが、とにかく皆さんの監督への愛が強く、そうした空気の中で作品に携われる、芝居ができるということを本当に幸せに感じました。撮影期間は短かったのですが、とても濃い時間でしたね。
――多部さんはちゃんばら時代劇のヒロイン・おとよを演じられました。
多部:ひとりの男性を愛し、待ったり支えたりという、今までに求められたことのない役柄だったので、とても新鮮でした。
おとよは、自分の居場所を見つけた強い女性
――多十郎を、思いによって動かす役です。支える女性ですが、強さもあります。
多部:クランクイン前に、監督と高良さんと多十郎の弟・数馬役の木村(了)さんの4人でお話をする機会を設けていただきました。その時に、監督が「とにかくおとよは母性の女だ」と仰っていて。「女というのは強いんだ、それに尽きる」と。
――母性の女、ですか。
多部:はじめは母性と聞いても、どう表現しようかといった感じでしたが、好きな男性のために一生懸命だということ、そして自分のやらなければいけないことを見つけた、自分の居場所を見つけた強い女性なのだと思いました。具体的に演技面で何かをしたということはありません。ただ、多十郎への愛、母性を常に意識していました。
――おとよのこうした気持ちは分かりますか?
多部:多十郎のような放ってはおけない男性に惹かれるという気持ちは分からなくはないですが、もしもおとよが自分の友達だとしたら、絶対にやめておきなさいと言います(笑)。