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「知らない大人に育てられた幼少期」を24歳テレビマンが描くワケ

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沈没家族が内包するさまざまなテーマ

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左手前にいるのが加納さんと穂子さん(C)おじゃりやれフィルム

――映画の見どころを教えてください。

加納:見る人によって引っかかるトピックが多いということでしょうか。女性、子育てといった文脈もそうですが、当事者によるセルフドキュメンタリー、90年代の中央線文化など、観る人によって捉え方が違う。単に家族をテーマにしたドキュメンタリー以上の反応が返ってきているなと思います。

――それは意識して映画を作られたんでしょうか?
 
加納:いえ、やはり沈没家族という題材がそれほどのものを内包していたんだと思います。ぼく個人としては今お金がなかったりさまざまな問題で子供が欲しいけれども生むのをためらっている人やこれから子育てをしたいと思っている、そんな人たちに見てもらえたら本当にいいなと思っています。

「森達也さんとトークショーがしたいです!」

――今後の展望についてお聞かせください

加納:まずはドキュメンタリー監督の森達也さんとトークショーがしたいです! 僕も訴えていきたい「世界は一面ではなく多面的である」ということを徹底的にやっている監督で、とても尊敬しています。色々なところで話しているので、さすがにそろそろ一緒にお仕事させていただきたい……。

 あとは、できるだけいろいろな人とふれあいながらそれを映画や仕事に落とし込むということは今後もやっていきたいですね。普段は映像制作会社で働いているので、いかに両立するか、というところが課題ではあるんですが。あまり働きすぎず、うまく時間をつくってやっていきたいです。

――最後に20代読者に向けてアドバイスをお願いします

加納:僕も20代、同じ目線で一緒にやっていきましょうというのが正直な気持ちです。ただ、1つ言えるとすれば、極端な考え方に走ったり、「であるべきだ」みたいな思考に陥ってしまうことはよくないのではないでしょうか。昨今は趣味嗜好が細分化していて、ともすると、考え方が凝り固まってしまいがち。

 だからこそ、普段まったく触れないような人間と付き合うことが大切なんじゃないかと思うんです。別に絶対に正しい、というわけではないのですが、悩んでいる方に『沈没家族 劇場版』で描いたような考え方が、人と人のつながり方が、代替案のひとつとして受け取ってもらえると嬉しいですね。

<取材・文/小林たかし>

フリーランスのライター、主にweb媒体を中心に様々な分野で執筆を手掛ける。守備範囲は広いがとりわけ、変なもの、ことに関する興味が強い。最近の目標はヘビトンボを食べてみること。

【公開情報】
沈没家族 劇場版
4月6日より、ポレポレ東中野など全国の劇場で順次公開中。
上映後トークには佐野史郎さん(4月17日)などさまざまなゲストが登壇予定。
(C)おじゃりやれフィルム

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