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あの慎吾ママはどう生まれた?ヒット企画は“普通の人”が思いつく

暮らし

視聴率や評価の高い番組は「横の会議」

――今は新旧のスタイルが混合している過渡期なんですね。

たむら:そう。私自身、いろんなテレビ局のいろんな番組を転々としているので、視聴率が順調な番組と、そうでない番組だと、会議のやり方もだいぶ違う。視聴率や評価の高い番組って、もう絶対に「横の会議」なんです。

――トップダウン型ではなくてスタッフ全員参加型の番組が視聴率を取っていると。

たむら:大ボスの意見だけで、ものごとが決まる番組だと、ゴールデンで視聴率5%とか普通にありますからね。逆に、新人スタッフでも意見の言える番組だと、誰が見ても面白い番組が成立しているように感じます。

 よくテレビ業界は斜陽だと言われますが、私たち映像コンテンツを作る側はめちゃくちゃ楽しいんです。特に今はAbemaTVやNetflixとかネットテレビが増えていて、その分、若い人の活躍できる現場も増えている。なんでみんな、こんな楽しくて年収も期待できる仕事に来ないんだろうなぁって、いつも不思議に思っています(笑)。

「お母さんはスゴいんだぞ!」から生まれた慎吾ママ

努力

取材場所は、たむらさんが代表を務めるテレビ制作会社「ベイビー・プラネット」

――たむらさんといえば、大ヒットした「慎吾ママ」の生みの親ですが、誕生にはどういった経緯があったのでしょう。

たむら:生みの親は言い過ぎですが、経験が役には立っています。当時、妹が先に結婚してママになっていたのですが、ほんの数年前まで私と一緒に朝起きて、母親に「ご飯まだ~?」って言ってた彼女が、見違えるように立派な主婦になったんです。

 それに驚くと同時に、誰からも褒められていない主婦業の現実に気づいて。ならば、テレビで「お母さんはスゴいんだぞ!」という気持ちを表現したかった。それが慎吾ママにつながっています。

――実際に慎吾ママに生かされてる経験はありますか?。

たむら:慎吾ママには「マヨチュッチュ」っていう、マヨネーズをチュッチュする動きを指すワードががありましたけど、あれも行動自体は慎吾くんがロケ時に思いつきでやったことですが、自分の妹と私が小さい頃、夜中に冷蔵庫から好きだったコンデンスミルクをチュチュってやってたことが名前の元になっています(笑)。

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