コンサル会社に入るなら学ぶべき「ファイナンスの知識」とは?
経営者目線で仕事ができる、経営のイロハを学べることを期待してコンサルティング会社に入社する方々がいます。
学生に人気の就職先、コンサルティング業界の意外と知らない事実を教えるこの連載。これまで、コンサルティング業界の年収、キャリア・パス、ESの書き方や面接対策などさまざまな情報を紹介してまいりました。
今回から最終回までの6回にかけては、特に新卒入社の方に向けて、入社前に身につけておくべきファイナンスの知識を紹介してまいります。
【第11回】会計知識を身につける(損益計算書の概要)
本連載の第5回目でも書きましたが、コンサルティング会社(特に戦略)ではプロジェクトで活躍し続けない限り、最終的には退職を余儀なくされます。
それではプロジェクトによらず、活躍するためのスキルとは何でしょうか? そして、入社する予定の方はどのようなスキルを身につけておくべきでしょうか?
コンサルティング業界経験者とこのような会話をすると「サラリーマンの3種の神器」といわれる「英語」「会計」「IT」のうちの特に「英語」と「会計」を学んでおくべきだという意見があがります。
理由を以下でそれぞれ見ていきましょう(基本的な思考力やオフィス系のソフトの高速操作などは大前提、かつ実務で嫌でも学んでいくためここでは対象外としています)。
勉強は「英語」と「会計」知識を中心に
入社前の勉強に時間をかけるなら英語と会計知識中心にしてください。ITが入らないのは、ITと言っても範囲が広く、特定の技術や知識の学習に時間を割いてもプロジェクトで実際に必要になるかわからないからです。
一方で、ITの知識で成果をだすためには専門的な知識も必要になるので、入社前からの準備が「学び損」になる確率は比較的高いといえます。
プロジェクトによって特定のIT領域の知識が必要となる場合がありますが、その場合はIT部隊の人材、もしくは外部ベンダーの協力を借りることが多いので、入社前にいたずらに時間をかける必要は無いと言えます。
英語は海外プロジェクトの配属を決める重要な要因であり、配属可能なプロジェクトが増えるので、大きく生存確率が高まります。一方で、実務で使っている方に話を伺うと、1日に数時間の勉強を数年間、続けたという方がほとんどです。費用対効果はありますが、即効性は低いといえます。
最後の会計知識は、ビジネス課題の解決が仕事という前提上、使わないプロジェクトはないといってよく、学び損になることが少ない。また、IT、英語と比べて、実務に必要な会計知識であれば、比較的短期間で身につけられることから費用対効果も即効性も高いといえるでしょう。
以上より、コンサルティング会社の入社を予定または志望されている方は、英語と会計知識に時間を割くべきだといえます。