キー局100万円、Vシネマ30万円…。現役脚本家に聞く「シゴトとお金」
「勝ち組」アニメ脚本家の履歴書
一方で、アニメを中心に深夜ドラマも手がける脚本家の桐山さん(仮名・37歳・女性)は「ぜんぜん生活できる」と口を開きます。もっとも長く担当しているのは誰もが知る国民的アニメ。経験を重ねて番組関係者の信頼を勝ち取っています。
「私の場合はアニメのレギュラーをもらえたのがラッキーでした。実写ドラマは競争率が高いし、単発も多い。テレビ局が主催する大きなシナリオコンクールで賞を獲っても、アルバイトで生計を立ててる人はいっぱいいますから」
桐山さんがアニメの世界に携わろうと考えたのは大学3年生のとき。一般企業の就活に苦戦するなか、都内にあるアニメの制作会社を受けようと思い立ったそうです。
「結果も出ないし、どうせ苦手な面接を受けるんだったら本当に行きたいところに行こうと思って。で、アニメ映画が好きだったことを思い出して、ちょうど募集していた会社を受けたら内定が決まった感じですね」
ボロボロだった制作会社時代
とはいえ、入社後は過酷な日々が待っていました。
桐山さんの仕事は、作画に関わるアニメーターや監督、各部署のスケジュールを調整して放送に乗るまでを管理する制作進行。アニメーターが帰宅せず仕事を続ければ、制作側も帰らないで待機。2週間ほど会社で寝泊まりすることもあり、体はボロボロになっていきました。
「忙しくて本当に死ぬと思った。会社の床に段ボール引いて寝泊りするんですけど、太った男子がお風呂入らないからメッチャ臭かったし(苦笑)。で、もともと大学のときからシナリオ学校に通っていたこともあり、そっちに行きたい気持ちが強くなったんです」
4年ほど勤めた制作会社を辞め、桐山さんはシナリオに専念しようと北関東にある実家に戻りました。しかし、その後は光の当たらない生活が約7年続くことに。