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ピエール瀧を逮捕した「マトリ」とは?警視庁とはライバル、水面下の攻防も…

コラム

 人気テクノバンド、電気グルーヴのピエール瀧がコカインを使用したとして3月12日、麻薬および向精神薬取締法違反の疑いで麻薬取締部に逮捕された。事件の詳細については各社既報の通りである。

電気グルーヴ

※画像は公式サイトより

 それにしても違法薬物による有名人の逮捕劇は、数年に一度のサイクルで訪れる恒例行事のようになってしまった感が否めない。

 その背景には、より“大物”に狙いを定めた「マトリ(麻取)vsソタイ(組対)」の構図が見え隠れしているという。

厚生省の「マトリ」と、警視庁の「ソタイ」

 そもそも今回、ピエール瀧を逮捕した「マトリ」とは何か? 逮捕の経緯を含め、その複雑な関係性を大手通信社に籍を置くベテラン記者のA氏がこう語る。

「薬物事犯を専門に捜査しているのが、厚生労働省の麻薬取締部(通称・マトリ)と、警視庁組織犯罪対策部5課(通称・ソタイ5課)です。互いが薬物犯罪に特化した専門部署なので、相当意識し合っているのは有名な話です」

 麻薬取締部は全国8か所にある厚労省の地方厚生局に設置されており、麻薬、大麻、覚せい剤などに関連する罪について、刑事訴訟法に基づく司法警察員としての職務を行う。拳銃の携帯も認められており、“麻薬Gメン”という呼び名でも知られている。

 このA記者がまだ駆け出しだった頃、敵対するソタイの捜査員がこんな愚痴をこぼしたそうだ。

「俺たちが夜通し張り込みしている最中も、あいつら(マトリ)は高級クラブでホステスとワインを空けて遊んでるらしい。あんなとこに予算を出すくらいなら、ウチに回せよって話ですよ」

 ホステスとワイン…の真偽はわからないが、マトリは潜入捜査やおとり捜査が認められており、ソタイと捜査手法も違うようだ。

有名人逮捕はアナウンス効果も

逮捕

※画像はイメージです

 どうやら昔はいわば商売敵だったようだが、A記者曰く「現在はかつてのギクシャクした敵対関係から、わかりやすいライバルに落ち着いている」と言う。

「プロ野球の元スター選手や、人気デュオで知られる男性歌手の身柄を押さえたのはソタイ。一方、グラドルからAVに転向した女性タレント、芸名で鉄道会社と一悶着あった俳優の逮捕はマトリの仕事でした。

 薬物がらみでの有名人逮捕はアナウンス効果が抜群なので、一般人よりも薬物犯罪の抑止撲滅に一定の効力が期待できる。しかも、世間に名の知れた人物の逮捕は“殊勲を立てる”ことにもなるから、彼らにしてみれば一石二鳥ということです」

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