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「実はムダだらけの営業」を変えるため、僕が20歳で起業した理由

ビジネス

立場によって同じ意見でも見え方が変わってしまう

――ピッチイベントを開いたことで何か発見はありましたか?

満田:大人と意見を交わせる機会があって気づいたことがあります。それは、意見の良し悪しは、立場に引っ張られがちだということ。どうしても当時は高校生の意見は大人の意見に勝てないことが多かった。この経験を通じて、意見の中身だけを客観的に見ようとする癖がつきました。

 ピッチイベントの主催がきっかけで、起業に繋がるきっかけをもらったシタテル株式会社の河野(秀和)社長に出会ったんです。熊本で開催されていたスタートアップのイベント「スタートアップウィークエンド」に参加もでき、そこで審査員をしていたのが河野さんでした。

――その後九州の大学に進学したんですね。

満田:留学生が多く面白い大学だったのですが、キャンパスは大分県別府の山の中。高校生の時にディベート大会を開いていた刺激的な経験が忘れられず、田舎で何をやっているんだろうとジレンマを感じ過ごしていました。

地方で感じた東京への複雑な気持ち

カクトク

リクルートのインターンは4日で辞退した

満田:いつかは起業したいのに、それがすごく遠く感じる。とりあえず今のうちに力を付けて置こうとリクルートのインターンに応募し、東京に行くことに。その時にシタテルの河野さんと再会しました。抱えていた想いを相談したことで意気投合し、結局リクルートは4日で辞退して、シタテルでのインターンが始まったんです。

 シタテルは日本のものづくりのありかたを社会課題に感じ、衣服生産のプラットフォームを提供している貴重な熊本のスタートアップ。代表の河野さんはコンサル出身で立派なキャリアを持っています。

 でもそのキャリアを捨てても、自分が感じた課題解決に向き合っていた。これこそが僕のやりたいことだと思い、インターンシップにのめり込んでいきました。起業したいまでも河野さんは僕のメンター的存在です。

起業の一歩を踏み出せない人が大勢いる

――実際、起業の準備を始めてみて大変だったことはありますか?

満田:仲間集めを始めると、スタートアップに興味はあるけど踏み込めない人が大勢いることに気付きました。僕は起業を目指し、常に一歩踏み出したいと思っていたけど、踏み出せない人のほうが多い。

 これは、営業マンも同じでした。たくさんの人が自分の現状を変えたがっている。世の中には踏み込めないけど何か手伝いたいと感じている人が想像以上にたくさんいるんですよね。

――なるほど。そこから今のビジネスに繋がるんですね。

満田:1年間ほどインターンをし、ある程度やりとげたなという思いもあり、「カクトク」の事業計画を書き始めました。自分の経験を通じ、多くの企業が持つ営業課題と、余力ある優秀な人をマッチングさせたいと思ったんです。いいサービスを作っていても、売る人がいないという状況はもったいないですから。

 事業計画ができた頃、Startup50 vol.2というビジネスディスカッションに選出していただきました。そこでクックパッドの穐田(誉輝)社長(当時)と、リブセンスの村上(太一)社長に、「可能性がありそう」と褒めてもらえ、テストセールスからビジネスをスタートさせていきました。

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