Jリーグ、電通、チームラボ…3社コラボをまとめた「プロマネ」の仕事とは?
ビジネス環境の急激な変化により、これまで存在しなかった新しい仕事・職業が生まれてきている。小学生のなりたい職業ナンバーワンはいまや「YouTuber」と言われている。こうした新しい職業は競合も少なく、うまくいけば先行者利益を享受しやすい。
今回取材したのは、「プロジェクトマネージャー(プロマネ)」としてはたらく、株式会社JQの代表取締役社長、下田幸祐氏。Jリーグ、電通が共同で企画をし、チームラボが開発したJリーグ公式アプリ「Club J.LEAGUE」のリリースプロジェクトをまとめ上げた人物だ。
そもそもプロジェクトマネージャーとはどのような仕事か? なぜ今、プロマネという役割が求められているのか? 話を聞いた。
「プロジェクト」を「マネジメント」する役割
――プロマネとはどういう仕事なのでしょうか?
下田幸祐(以下、下田):わかりやすく「Club J.LEAGUE」を例に紹介します。まず今回、Jリーグさんと電通さんで、ファンのためのアプリを開発する話がありました。
僕らの仕事はアプリをリリースするために、目的に鑑みて何を作るべきなのか、そのために、誰が何をする必要があるのかを整理し、その後、作業が計画どおりに進むよう管理することです。
――なるほど、文字どおり「プロジェクト」を「マネジメント」すると。そういった要望は増えているのですか?
下田:増えてますね。大手企業が顧客接点の重要な手段として、スマホアプリを開発、運営するようになってきています。こういったデジタルマーケティングやCRM(顧客関係管理)のジャンルは、単なるシステム開発ではなく、マーケティング部門と、システム開発の両方を理解する必要がある狭間の仕事なんです。
最近、スタートアップから「CTOをやってほしい」という依頼をよく受けるのですが、やはり経営者がやってほしいことを技術者にちゃんと伝えたいニーズはあります。必然的にどちらの役割、言語も理解できる私たちの役割が大きくなっていますね。
プロダクトマネージャーとの違いは?
――プロマネは、日本ではあまり聞かない概念ですね。
下田:日本のスタートアップでも、サービス開発者兼創業者としての「プロダクトマネージャー(プロダクトオーナー)」を謳っている企業はありますが、プロジェクトマネージャーがいるところは少ないです。アメリカではどちらも明確にされている企業が多いです。
プロダクトマネージャーとは、一般的にサービスの開発者で、その方向性や、価値観を決定する役割で、プロジェクトマネージャーはそれらを実現させる段取りを決めます。
――アクセンチュアなどのIT系の外資コンサルとの違いや差別化ポイントはなんですか?
下田:最近アクセンチュアなどの大きなファームは大きな案件しかとらないですね。または大企業の社員支援のような派遣形態の仕事。なので、基本、対象となる仕事のスコープが小さくなりがちで、プロジェクト全体を見通す経験がある社員は少なくなっています。
その点、弊社は常に数億規模の案件のプロジェクトマネージャーポジションで、部分ではなく、ビジネス面システム全般を見るトータルな仕事をしています。そういう意味でも、経験値が違います。
あとは、私たちの会社では、自分たちで最新の開発手法を使ったマーケティングリサーチサービスの「&Check(アンドチェック)」や多肉植物・サボテンの専門のECサイト「solxsol(ソルバイソル)」の運営もしているので、最新の技術やマーケ知識も彼らに比べて、理解していると思っています。