アメリカ社会を映す?今こそ観るべき“社会派”マーベル映画3選
トランプ政権下で分断されるアメリカを描いた
■『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(’16)
アベンジャーズを国連の管理下におくことに賛成するアイアンマン(ロバート・ダウニーJr.)と、反対するキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンズ)が対立することに。それぞれをサポートするアベンジャーズメンバーが両陣営に別れて戦います……。
公開と同年の2016年、大統領選挙に立候補を表明したドナルド・トランプ氏はメキシコの国境の壁建設や不法移民の抑止をアピールし、トランプ支持派とアンチ派でアメリカが分断されていきました。まさに2分されるアメリカの社会情勢を映し出した本作。
国連に味方するアイアンマンが、“世界の警察たるアメリカ”という思想をもつ一方で、アメリカの星条旗をまとったキャプテン・アメリカは、“自由の番人たるアメリカ”という自由主義(国家や権威の統制から個人は自由であるべき)を信じています。ここには、アメリカにおける2つのイデオロギーが反映されているよう。
劇中、ヒーローたちの交戦中に市街の建物がめちゃくちゃに破壊され、一般市民に被害が及ぶシーンには、“戦争に正義はない”というメッセージが含まれているのではないでしょうか?
単なるヒーローのアクションものではないマーベルの映画作品。これらを取り巻くアメリカの社会問題やメッセージを探るのも一興でしょう。
【参考】
※1…Marvel Beats DC as 2018’s Top Comic Publisher – SCREENRANT
※2…DC Vs. Marvel: Why Marvel Is Winning Right Now, Things DC Does Better (And Why They Both Lose) ― CBR.com
<TEXT/此花さくや>