起業で成功するためにコンサルティング経験は役立つか?
コンサルファームを経験しても経営の腕は磨けない
コンサルティング経験が起業や経営の成功に直結しないのはなぜなのでしょうか。それは、そもそも経営者とコンサルタントで仕事の内容が異なるため、コンサルティングを経験しても経営者としての経験を磨いたとはいえないからです。
コンサルタントの仕事は、クライアントの重要な課題に対する提案を行い、関わる人も部長級以上のことが多いですが、コンサルタントの仕事と経営者の仕事は決して同じとは言えません。
経営者の仕事は、会社法に定められているとおり、株主より委任される事業経営の一切になります。仕事の範囲は業績、株価や配当を向上するために必要なすべてになります。
それに対して、コンサルタントの仕事は、経営者が意思決定を行う際の事実調査と整理です。範囲もクライアントと結ぶ契約に限定されるものとなります。
別の言い方をすれば、経営者は業務および責任範囲が極めて広いジェネラリストであるのに対して、コンサルタントは契約範囲に限定して、特定の前提の下にファクトベースで回答を出すことに特化した職人のような存在であるといえます。
つまり、「餅は餅屋」の文脈で、事実調査や整理に秀でているコンサルティング会社に業務委託しているのであって、決して経営を任せているわけではないことに注意が必要です。
経営者を目指すなら早くに起業をするべき
よって、繰り返しになりますが、コンサルティングの経験が起業および経営の成功に直結しないのは、コンサルタントの仕事と経営者の仕事がそもそも違うからです。それでは、起業や経営者として活躍したいのであれば、どうするべきなのでしょう。
IPOを達成した経営者の経歴を見ると、多くの方々は10年前後の経営者としての経験を有しています。
これまでに確認したように、コンサルティング会社の経験が経営者としての成功に直結しないことも踏まえると、経営者として成功するには、コンサルティング会社を経由せず、できるだけ早く起業することが近道といえるでしょう。
<TEXT/KT Total A&C firm>