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起業で成功するためにコンサルティング経験は役立つか?

学び

 経営者目線で仕事ができる、経営のイロハを学べることを期待してコンサルティング会社に入社する方々がいます。その一方で、コンサルティングと実際の経営は無関係とも言われます。

コンサルティング

※画像はイメージです(以下同じ)

 学生に人気の就職先、コンサルティング業界の意外と知らない事実を教えるこの連載。前回の記事では「コンサルタントの仕事が消滅しない4つの理由」について書きました。

 今回の記事では、コンサルタントとしての経験が、経営者や起業家を目指すうえで有効かどうかを述べたいと思います。

【第8回】起業で成功するためにコンサル経験は必要か

 起業や経営者の成功を測る指標として株式の上場(IPO)があります。

 日本の会社数は約400万社と言われています。対して、上場企業は4000社しかなく、全体の1%しかありません。

 会社が上場するには、高い利益・企業の価値(時価総額)などの厳しい条件が各株式市場で設定されており、これをクリアできる企業は限られます。以上が、上場を果たした経営者が成功したといわれる理由です。

 そこで、IPOをした経営者のうちコンサルティング会社の出身者がどれほどいるのかを調べてみました。

コンサル経験の有無は会社経営の成功に直結しない

 昨年、2018年の1年間で新規上場を果たした企業は90社あります。このうち大手コンサルティング会社を経てから起業した代表取締役は5人となり、全体の約6%となっています。

コンサル

(出典:各社有価証券報告を基に弊社にて作成)

 他の94%の経営者は、大手コンサルティング会社の出身者ではありませんでした。コンサルティング経験が起業、または経営者としての成功に直結しているとは言い難い結果となっています。

 ではなぜ、世間的に「経営者はコンサル出身が多い」というイメージがあるのでしょうか? 最近ではエージェントサイトで、コンサルティング会社出身の経営者のリストを掲げている会社が増えました。コンサルティング経験が企業および経営に直結するという主張もよく聞きます。

 出身者が年々増えていることから、絶対数として、コンサルティング会社出身の経営者が増えているのはたしかでしょう。しかし、経営者全体からみるとそれほどの割合ではないことがわかります。

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