新社会人にオススメ「オリジナル手帳」工場を見学したらスゴかった
実は、先日、オリジナル手帳の製造ゲンバにお邪魔しました。そのときのリポートをお伝えします。
てっきりデジタルでお手軽に作れるサービスかと思っていたら、真逆の専門の職人によるハンドメイドなゲンバでした。
工程その1:オンデマンド印刷機を使って大判紙に印刷
オンデマンドといえばデジタルデーターをデジタル処理してレーザープリンターでプリントアウト。正直、オンデマンドは、デジタルでお手軽に本を作る技術だと思っていました。
でも、ゲンバに行ってみたら全然違いました。
それを扱うのはやはり人。そして「専門職があれば、職人アリ」でした。
誰でもできるわけではなく、やはり、クオリティをあげるための工夫とアイデア。そして、プリントアウトするときは、両面印刷がズレていないかなど厳しくチェックされていました。
もちろん、印刷がズレていたら、紙の入れ具合やなんかいろいろ調整してやり直しです。
そして、ようやくでき上がったら印刷された紙が丁寧に梱包されます。
工程その2:紙の束を別の工場へ運び込んで断裁
断裁ひとつとっても実は難しいのです。
手動の裁断機を使って紙の束を切ったことがある人ならわかるかも知れませんが、紙って、自らの重みでたわむんです。
上から刃を落としたら、紙の束がズレてしまいます。そのため、切り口が斜めになっちゃったり、ガタガタになったりしがちです。
でも、職人の使う機械は違います。ゾウが踏んだのと同じくらいの圧力をかけて、紙が0.1mmもずれないように固定して断裁するとのこと。
僕らもまとめたバラけた紙資料なんかを机にトントンとして角を揃えたりしますが、さらにそこからズレないようにスンゴイ圧力をかけるわけです。そうやってキレイに断裁されていきます。
工程その3:きっちり製本して、また裁断
断裁されたら、続いて製本です。製本は、手帳ならではの課題「開きやすく、耐久性がある」ということをクリアした製本方法が取られています。
また、リサイクルも考えられた糊を使っています。「ワタシメイド手帳製本職人」を生み出しているのは、糊のひとつにまで及ぶこだわりなのです。
僕の写真では、この難しさが伝えられませんが、試行錯誤とブラッシュアップの繰り返しでこのようなチェックリストが作られていました。
最後にまた仕上げでキレイに断裁して完成です。少しずつ丁寧に断裁して見た目も触り心地も良い状態にしていってくれます。
工程その4:専用の箱でひとつずつ梱包される
普通なら大量に作られる手帳や本のようなコダワリや技術が自分のための、この1冊だけに発揮される贅沢さがスゴいと思いませんか?
もちろん僕は今年、このサービスを使って作った手帳を使っています。物理的なカスタマイズはしましたが、構成に関してのカスタマイズは一切しないで済んだので、とても手帳の準備が楽でした。使い心地にも満足しています。
でも、手帳を使いたいけど、そもそもの手帳選びのとっかかりが分からないという方は、『手帳事典 2018』(荒川翔太・著/玄光社MOOK)といった雑誌や書籍の特集を読んで、自分に合うものを選ぶとよいでしょう。
マンスリーやウィクリーのバリエーション、そして使い方など手帳の基本もわかって、一石二鳥ですよ!
<取材・文・撮影/たなっち>