山手線駅の「AIロボット」全員に話しかけてみたら…爆笑!無視やウソ回答も
ドラえもん風のアニメ声が恥ずかしい
品川駅にいたのは大崎一番太郎君という品川区にある商店街のゆるキャラでした。
音量設定が大きめなので聞き取りやすいのはありがたいけれど、ドラえもん風のアニメ声で「こんにちはッ!」と挨拶が駅に響くのは若干恥ずかしい。操作をして「役に立った」と評価すると「やる気湧いてきたー!」と喜ぶので育て甲斐がありました。
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■品川駅の大崎一番太郎君
音声の聞き取り:★★☆☆☆
知識量:★★★☆☆
案内のわかりやすさ:★★★☆☆
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聞こえてるの? 声を張るのが疲れた
品川駅にもうひとつあるCounterSmart KIOSKモデルは、質問の回答率が高く、映像も滑らかでわかりやすかったのですが、聞き取り能力がやや劣る印象。
話しかけても無反応のため、ちゃんと音声が届いているのかわからず何度も声を張ることになり、疲れました。
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■品川駅のCounterSmart KIOSK
音声の聞き取り:★★☆☆☆
知識量:★★★☆☆
案内のわかりやすさ:★★★★☆
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現時点で、AIはペットの一芸
案内AIの実力はメーカーによってバラバラでしたが、現実的に使えるレベルに達しているとは言いがたい結果でした。「AIがなくてもスマホがあればいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、スマホの地図上ではカバーできない駅構内の案内は特にありがたい情報です。
東京駅のAIさくらさんへ乗換案内を聞いていた30代の男性は「文字情報だけだと本当に正しいかちょっと心配。情報がまっとうなのか確認するために路線図の情報も出してほしい」と話していました。
もっとも「案内AIみんなで育てようプロジェクト」と銘打っている通り、まだ育てている段階ではあります。何か困ったときにAIに聞いてみようという発想がないので、声をかけてもコミュニケーションを試すように遊ぶ人がほとんど。そのやり取りは、まるでペットに一芸をさせているようでした。
これから時間の経過とともに、AIは成長し、人は順応し、両者の距離が縮まっていくことでしょう。そんな時代に向かっていくスタート地点を今回観察することができたと感じました。
<取材・文・撮影/ツマミ具依>