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アプリ開発のインターンが…実際の仕事は「雑用やゴミ出し」ばかり

学び

求められる仕事を淡々とこなしても…

 インターンを受け入れてくれた恩返し、また休学までしたという意地もあったため、当初は求められる作業を淡々とこなしていた林さん。しかしある日、「ここで意地を張っても、自分が損するだけだ」と気づいたそうです。

「ある休日に出社したら、30代後半の先輩が『ここに長くいてはだめだよ』といきなり言うんです。どうやら社員もサービス残業が当たり前で、それが苦しいと感じるならこの仕事は合わない。また、『この会社はインターンを育てられないから、誰もやりたがらない仕事ばかり任せられている』とも言われました」

 それでも林さんは「約束の時給さえ出してくれたら、働きたい」というのが本音でした。しかし、先輩は「アプリ開発は職人の世界に類似していて、“楽しい”という気持ちがあってこそだよ」と続けます。

「たしかに僕はアプリ開発をしたいと思ってインターンを志望しましたが、命じられたことはプログラミングやメルマガ配信といった雑用ばかり。これでは楽しい気持ちはとても生まれてきません」

自己分析やOB訪問に力を入れて内定獲得

履歴書

 ついに林さんの怒りが爆発。「我慢していたことが、一気に爆発して、やめようと決心した」そうです。

「取引先との打ち合わせに社員とともに同席させてもらえるなど、期待されてはいたと思います。ただ、当初は週2~3日という条件が、いつのまにか“毎日”になり、土日も含めて1日5~6時間勤務することになっていました」

 3か月でインターンをやめて地元に戻った林さん。その後はインターンではなく、自己分析やOB訪問に力を入れて、見事にスマホゲーム業界から内定を勝ち取ったそうです。

 現在は入社まで時間がないなかを縫って、同級生や後輩に「とりあえずインターンに行くのは良くない。しっかり学生を育てる気のある会社を選ぶように」と教訓を語っているそうです。

<取材・文/夏目かをる イラスト/Yopsymi(@Yopsymi

コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。『週刊朝日』『日刊ゲンダイ』「DANRO」「現代ビジネス」などで執筆。
Twitter:@7moonr

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