注目の特急車両がデビュー。東武、西武、JR東日本の「日帰り観光」戦略は?
2019年3月16日、多くの鉄道事業者でダイヤ改正が行われる。
なかでも注目なのは、東武鉄道の川越特急、西武鉄道の001系Laview、JR東日本の特急<富士回遊>がそれぞれデビューすることだ。
東武鉄道、「池袋・川越アートトレイン」を公開
東武は東上線ダイヤ改正で、川越特急を新設する。同社プレスリリースによると、池袋―川越間を<TJライナー>とならぶ最速26分で結び、「川越観光=東上線」のイメージの深度化を図るという。
川越特急にふさわしい「池袋・川越アートトレイン」と、東上線の優位さを探ってみよう。
2月12日、東武東上線下板橋駅の留置線で、「池袋・川越アートトレイン」お披露目会が開催された。
アートに力を入れている豊島区の推薦により、東武は若手画家の古家野雄紀氏(1993年生まれ、25歳)に依頼。“川越に彩りを加える”というテーマで、日本画を描き下ろした。
A4画用紙10枚(1両につき1枚)を使い、制作に半年を要したという。
無数の大小の鯛がゆらゆら泳ぐデザイン
古家野氏の自信作といえるデザインアートは、2号車の「あい鯛みくじ」。無数の大小の鯛がゆらゆらと泳いでいる。ほかのデザインアートは下記の通り。
・1号車:中福の神楽
・3号車:喜多院
・4号車:川越まつり
・5号車:花火と風鈴
・6号車:川越氷川神社
・7号車:菓子屋横丁
・8号車:時の鐘と川越城本丸御殿
・9号車:大正浪漫夢通りの鯉のぼり
・10号車:新河岸川と桜並木
ラッピングは濃厚から軽快な雰囲気に
先頭車前面のヘッドマークは時の鐘で、小江戸川越の象徴といえよう。また、川越特急のロゴも古家野氏がデザイン監修した。
蛇足ながら、「池袋・川越アートトレイン」に起用された50090系50092編成は、2月7日までブルーバード号として運行されていた。フルラッピングは濃厚から軽快な雰囲気に変わり、東上線に新風を吹かせている。