「花見の場所取りは仕事?」若手社員が猛反発し、社長に直談判するまで
部長は「断る文化なんか、うちにはないんだよ」
しかし、問題の営業部長はビールをピッチャーで注文し、歌えなかった場合は、ビールを飲むよう全員に強制するように。
「とうとう、酒が飲めない新入社員がトイレに駆け込みました。『心配だから、ちょっと様子を見てきます』と言って僕はタクシーを呼んで、彼を帰宅させました。もし部長がキレたり怒鳴ったりしたら、逆ギレして抗議する覚悟でした」
ところが、部屋に戻ると、今度は新たな罰ゲームが実行中。歌えない社員のアルコールにソースやしょうゆを垂らして、一気飲みをさせていたのです。
前田さんは猛烈に反発。すると部長は平然とした顔で「断る文化なんか、うちにはないんだよ」とピシャリ。その場で、前田さんは会社を辞める決心をします。
部長のアルハラを社長に報告。どうなった?
そして、翌日にはアルハラの実態を社長に報告します。
「こんな会社だから社長もとんでもないハラスメント野郎だと思っていましたが、さすが人の上に立つ人は違いましたね。建設業界が昨今、人材不足なのも功を奏しました。『会社にとっても不利益だから即刻やめろ』という社長の一言で、花見の場所取り、飲酒の強制はすぐ中止になりました」
辞める覚悟で行動したことが、功を奏したといえますね。
部長のアルハラに抵抗し、年下の社員を守りながら、前田さんはやがて会社になくてはならない存在になったそうです。
― 特集・[飲みハラ]実況中継 ―
<取材・文/夏目かをる>
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